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毎年思う今年こそ

 出版社に直接定期購読を申し込んでいる月刊誌(M社発刊のR誌)が年末に届いた。もう3年以上読み続けている愛読誌である。その最新号ってば、どうみてもやっつけ仕事で編集作業したとしか思えない薄っぺらな内容で、ちょっとビックリ、かなりがっかりさせられた。前号まで多数掲載されていたはずの面白いけど扱いの小さいコラムとか4コマとかが見当たらず。捨てカットみたいなどうでもいいページにとってかわられているなんて酷すぎる。その他諸々、ざっくり大胆なリストラである。今後はこの路線を歩むつもりなのか? そういう誌面刷新という名の縮小であるならば、もう結構。次回の更新はしてやらないのだ。暮れにまったく別な隔月刊誌の定期購読を申し込んだばかりなので、ちょうどいい。それで代替したと思えば自分の中では納得がいく。
 と、不平を述べてはみたものの、別に憤っているわけではない。いたって冷静よ。ヒトも変われば雑誌も変わるのである。おおよそ広告収入の落ち込みで製作にかかる予算及び人員が減らされ、苦肉の策ってことなのだろう。そんな噂を耳にしたことがあるし、わからないでもない。でも、俺には内部事情など関係ない。面白くて読んでいた雑誌が面白くなくなった。だから切り捨てるしかないのである。残念ではあるけれども。
 家電メーカーなどの場合、競合他社の類似品と比較して性能や価格がほとんど違わない商品であっても、営業力によって売れ行きに著しい差がつくことが得てしてあるという。そんな一部の実績が歪んだ形でとらえられているのだろうが、「営業が頑張れば売れる」という極端かつ人間としてどうかと思うような誤った解釈をする人がここ最近多くなったように思う。まったくもって浅はかだ。仮にそれで商売が成り立ったとしても、その場しのぎ。追求しているのは目先の利益でしかないのに。
 前述の定期購読誌は商業誌だから、採算を無視することはできないだろうが、だからといってクオリティまで落としていいはずがない。ひと昔前の出版業界には「利益はさほど期待できないけど、必要な媒体だからスタイルを崩さず発刊し続ける」そうした使命感のようなこだわりがあった。不況というのが大きいのだろうが、そうした余裕というか志が失われつつあるのがなんとも悲しい。けど、ピンチはチャンス。迷走する業界にはクサビを打ち込む余地がまだあるはず。そういう妄想を抱けるうちはまだまだ本当の意味で腐りきってはいないというか、腐りかけがいちばん美味いだろよ、と思い込むことで今年は頑張ろうっと。
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