陸前かんちゃそ谷 菅野技工

菅野技工ユーザーサポート2−2003年11月号
菅野技工ユーザーサポート2.5−2004年03月号


側面図(左側より)。Illustratorで書いてみました。細かい部分は無理だよ。

HVC-0022 DISK DRIVE (C)1985 Nintendo / D0910808 / ファミリーコンピュータ ディスクドライブ / ACアダプタ(別売) HVC-025 or 単2形乾電池6本使用


Q1, シャフト部の調整方法を教えてください - サポート2
Q1,1 シャフト部の調整方法を教えてください(追記) - サポート2.5

Q1,シャフト部の調整方法を教えてください

ディスク分解・組み立て時の最大の難関になる部分である上記のシャフト部のカムのような部品の取り付け位置について。

ディスクシステムは、そのメディア特性からシーケンシャル構造となっており、磁性体外周から内側まで一気にデータを読み込んでRAMカートリッジに転送する仕組みになっています。
読み取り開始時のヘッド位置である最外周から最内周まで、磁性体の特定の位置のデータを読み取るように機械的に位置が合わせられています。
このため、ヘッド位置とシャフト部部品(以後、磁性体受けとする)の位置が同期して動くように、特定の角度にあわせて磁性体受けを取り付ける必要があります。
本来であれば、読み取り開始位置であるヘッドの最外周位置で調整を行うのが確実なのですが、今回は誰でも調整ができるように本体カバーのみを外した状態での確認方法を調査します。

ディスクシステムとファミコン本体を接続した状態でファミコンの電源を入れると、RAMカートリッジに内蔵されているプログラムが動作する為、ディスクシステム本体は動作しません。
この為、ディスクカードを挿入して動作させる必要があるのですが、カード抜き差しがわずらわしい&ディスクカードの磨耗(笑)が懸念されますので「イジェクトボタンショック療法」を行います。
ディスクカードが手元になくても、ディスクシステム本体のカードイジェクトスイッチを指で弾くような衝撃を与えると、カードスロット部分がガシャリンコと降下して読み取り動作を行います。(メロンパンは入れられません)
当然、ディスクは挿入されていないので「DISK ERR. 22」の表示がされてしまいますが、ヘッド自体は最外周へ移動して最内周の位置で停止します。
弊社の技工1号でこの動作を確認したところ、2度の確認でどちらも以下のような状態になりました。



ディスクカードの読み取り動作後には、磁性体受けの位置が上記画像のよに、ほぼ左上45度に六角ネジが向いた状態で停止していました。



読み取り動作後には、ヘッドもシャフトに最接近していますので、工具などを使用する際にはヘッドに当たらないように細心の注意を払ってください。

弊社の技工1号ではこのような結果になりましたが、ディスクシステム本体のロット等によっては違いがある可能性もあります。
その場合には、上記のディスクカード読み取り動作を繰り返して、磁性体受けの角度を45度くらいづつずらして、根気良く調整をしてみてください。
ヘッドとの同期位置がありますので、必ず当たりが出るはずです。

ただし、場合によってはヘッドそのものが故障している場合も考えられますので、精魂尽き果てた場合には任天堂に修理依頼しましょう。
ディスクカードの書き換えは平成15年9月30日をもって終了しましたが、当面の間は修理は継続してくれるそうです。
ちなみに現在残っている部品は「ドライブベルト」だけらしいです。ヘッドは修理で直せるのかな?。
ちなみに弊社では、ゴム足を2個とドライブベルト数本を在庫しております。(2003年11月24日執筆)


Q1,1 シャフト部の調節方法を教えてください(追記)

必要な工具:2号+ドライバー、1.2m/m六角レンチ


2004年3月、オークションで落札したほぼ完品のディスクドライブを動作確認した所、不安定だったのでこれ幸いとばかりにレポートします。
現在はbiddersしか利用していないのですが久しぶりのでものでした。
RF延長コードは無かったのですが、箱と取扱説明書があったので完品に近い状態で4000円せずに落札してしまいました。外箱の痛みも差ほど酷くなくヘッド保護シートもあり、本当に送料込みでよかったのか...と、逆に申し訳なく思ってしまいました。
少し前に落札したファミコン本体技工3号と今回のディスクシステム技工2号の22コンビで動作確認を行ったところ、読み込んだり読み込まなかったりと多少 動作が不安定でした。ERROR.27。VSエキサイトバイクでA面は読み込む場合があるものの、B面の読み込みが不完全で化けた画面で止まってしまう状 態でした。片面のバレーボールでは全く読み込めずにERROR.27。(化け画像は撮影を逃しました)
ヘッドが後方に戻る直前「ガチャコン、コン」という音も多少技工1号と違うように感じたので早速分解を開始してみました。


ディスクユニット部です。ヘッドが多少汚れていたものの中身も綺麗でした。


読み込み後の磁性体受けは前面から見て左下45度ぐらいの位置でした。

ここで必殺技の「擬似ディスク挿入」を行おうとイジェクトボタンに軽いショックを与えたのですが、スロット部が落ちて読み取り動作に至る事は出来ませんでした。技工1号よりもロットが新しいようで、改修されてしまっているようです。
そこで動作を検証していたところ、読み込みに動作に入るスイッチを確認できました。


前面から見てスロット部右手にあるこの部分が読み取り動作開始のスイッチです。下に下げる事で読み取り動作を開始します。
ただし、データの読み込み完了後には機能しないようなので、このスイッチを下げても読み込み動作が行われない場合には、一度ファミコン本体の電源を切り、ディスクの挿入待ちの状態にしてから、このスイッチを下げてください。
なお、完全に動作が終了(ERROR.22で停止)するまでは、スイッチを離さない方が良いでしょう。

ここで、六角ネジを緩めて磁性体受け部分の調整をしようとしたところ、すでにネジが緩んで磁性体受けがクルクルしている状態でした。
これではまともに動作する訳がありません。
さっそく90度ほど時計回りにずらした気持ちでネジを締め付けたところ、問題なく動作するようになりました。
「調整が難しぃ〜!」という相談がたまにありますが、なぜか弊社では一発で済んでしまうようです。相性?。


上記の「必殺!擬似ディスク挿入2」により何度か動作を確認した所、やはりこのロットにおいても磁性体受けの向きが前面から見てほぼ左上45度の位置で停止する事が確認できました。

参考:「必殺!擬似ディスク挿入2」 - 動画(WMV)

今回の検証によりディスクシステムの磁性体受けの位置は、
読み取り動作後、前面から見てほぼ左上45度」という事で結論付けて良いのではないかと思います。
もしお手元に動作が不安定なディスクシステムがありましたら、お試しいただければと思います。(20040326執筆)

(C)(P)2003,2004 陸前かんちゃそ谷