陸前かんちゃそ谷 菅野技工

菅野技工7[ディスクシステム最終調整]


適当に貼ったら菅野技工7で7月だった

音楽仲間で友人のquadが、仙台で主催イベントがある時にディスクシステムのカード(クイックディスク、以下ディスク)を持ってきた。
彼は趣味が高じてディスクシステム実機で自作曲データを鳴らすまでに至っているのだが、何故か我が家のディスクシステムでは全ての持参したディスクが読み込むことが出来なかった。その時は「書き込みを行ったディスクの調整位置が悪いのだろう」という事になっていた。

一月ほどして合作用の曲データをディスクで受け取る事になり、quadが持つもう1台のディスクシステムの方で書き込みを行い、以前に書き込みを行ったディスクシステムでも読み込めることを確認して送ってもらったのであった。

ところが、送られてきたディスクは両面ともにERROR.21と22で読み込むことが出来なかった。
「製品版ディスクはデータ書き込み位置に冗長性を持たせてあるが実機で書き込んだものは厳しい」という話になり、こちらのしゅうさんのサイトを参照して協議し「ヘッド部の位置が最後部にある時点で六角ネジの向きが真後ろ」という調整を行ってみる事になった。

これまでの経験を元にして、最も楽に調整できると思われる手順を解説します。

必要な工具:プラスドライバー1号か2号、六角レンチ1.5mm(か1.27mm)

初出時に六角レンチ1.2mmとしましたがパッケージの表記が誤ってました。一部だけ1.5mm表記の上に1.27mmとシールが貼ってあったりして混乱。ノギスで計りましたが微妙です。どっちか。

ケース分解

まずはこれまでの記事を参考にしていただき、底面からネジ6本を外してケース上側を外します。今回の作業で主だった分解作業はコレだけになります。

ヘッド部移動

ケース上側を外したら、その状態でファミコンと接続します。電源はACアダプタからの給電が面倒が無く好ましいです。
次にヘッド部の位置を最後部に移動させたいのですが、分解するのも完全に手動で移動させるのも大変なので、途中までは「擬似ディスク挿入」を応用して移動させます。


手順としては上の画像のようになります。

1、ヘッド部最後部のスイッチ(上画像右)を後ろに下げる(これをやらないとヘッド部が最前部寄りで止まります)
2、スロット部側面部のスイッチを下に下げる(読み込み動作を開始します)
3、ヘッド部が2往復して動作が止まったら...「もう1度下げる」じゃなくて「離す」だけでいいです(DISK SET ERROR.1が表示された後にいつもの画面に戻ります)
4、後はファミコン本体の電源を切り、念のためにディスクシステムのACアダプタとRAMカートリッジの接続を外してから、図中4の位置から見える歯車を ディスクシステムの前面に向かって回します。傷など付けないように注意してください。グリスアップしてる場合はベトベトさんです。ある程度回転させると ヘッド部が最後部まで移動して、歯車はそれ以上は回らなくなります。

それではコチラのVTRをご覧下さい。

参考:「必殺!ヘッド位置下がれ!」- 動画(WMV)

ちなみにこの歯車を後方に向かって回すと「通常動作時の回転向き」になり、延々とヘッド部が前に行ったり後ろに行ったりして止まりません。無限ループです。スコアは増えません。ハチャメチャファイターで画面右端に居るのとは違いますので注意だ!。

磁性体受け部の調整


ヘッド部が最後部へ移動し歯車が回らなくなった位置で、スロット内の軸に取り付けてある部品を図のように合わせます。多少のズレは誤差の範囲内になるよう なので、ビスネジを「ほぼ真後ろ」に向ける感じで良いと思います。軽く締め付けてからもう一度歯車を回してみて軸がずれていないか確認してください。


この状態で接続して「擬似ディスク挿入」を行うと下図のような磁性体受け部の位置になりました。弊社がこれまで行ってきた調整位置よりも時計回りに90度進んだ形になります。


これまで弊社では製品版ディスクでの動作確認を元に手軽な調整方法を解説してきましたが、自宅書き込みデータというシビアな状態に直面したおかげで、より緻密な再調整を行う結果となりました。
quadによるとファイル数が多い「ガチャポン戦士」も無事に読み込めてますので、これまでの調整方法でも大丈夫かと思われますが、不安定な場合などにはこちらの方法で再度調整してみて下さい。

いい歳してファミコン談議に熱くなるquadちゃんや弊社を、今後ともよろしくお願いします。(20040616執筆)

(C)(P)2004 陸前かんちゃそ谷