トラウマの解消
トラウマの解消と、カルマの解消があるらしい。
カルマの解消は、あの世に帰ってからしか解消できないらしい。
もしくは、なかなか解消できないらしい。
トラウマの解消は、追体験で解消できるらしい。
しかし、わたしは、そんな単純なものかと思う。
たとえば、人に傷つけられたトラウマは、自分の中で、追体験するだけでなく、
その原因となった、人を傷つけるという行為を行った人の、なぜそうせざるを得なかったのか
なぜ、その人は、そのような人になってしまったのかを、つまり、原因の人の追体験と
理解で、初めてトラウマが解消するのではないのか。
「追体験」と云うものの中に、周囲の人の追体験も入っているのかもしれない。
それなら、トラウマは追体験で解消できるという案に賛成である。
なぜ、トラウマなるものが、発生するのか。
この世は、生存するために、他人を犠牲にせざるを得ない時もある。
物欲や所有欲、人よりも上に立ちたいという欲望、名誉欲や権勢欲などなど。
この、物理的世界で生きていくには、それは、止むを得ないことだ。
しかし、心の奥底にも別の要求が存在する。
理想であったり、人に奉仕したい気持ちであったり、夢中になれるものを求める気持ちであったり、
安らぎを求める気持ちであったりする。
この、表面の現実的欲求と、心の奥底の欲求は、しばしば相反し、ときどき合致する。
だから、多くの人の目には、物欲中心の人と見える人も、
自分の中では、理想にしたがって生きていることもある。
そういった中で、人(人の心・人の財産・人の○○)を傷つけても
止むを得ないこともある。
しかし、傷つけられた人は、やはりトラウマになったりする。
理想と現実の合致は、難しいが、それ(理想と現実の合致への努力)が、
本当の幸福の方向に気がついた人だけの使命だ。
本当の幸福に気がつかずに、どんどん不幸を作り続ける人に気付きを与えなければならない。
トラウマは、理想が現実に踏み潰されたような気がする時に発生する。
そのトラウマを解消するには、現実の発生の仕組みの理解と、厳しさに耐える強さと
現実を変えていく強さが必要だ。
心を傷つけた人への恨みがある間は、トラウマは消えない。
人を傷つけた人の苦しみを追体験・理解して初めてその人を許せる。
追体験は、自分の直接の体験が一番だが、映画や書物や人から聞くということでもいい。
もちろん、それだけでいいとは限らないが、
わずかな手がかりでも多くのことを理解・想像できる人間であるにこしたことはない。
「自分の心を傷つけた人」という発想で、話をすすめたが、
実は、「こころの強さ」を手に入れるため、
守護霊が、相手に「私の守護対象者(あなた)の心を傷つけてください」とお願いしたのかもしれない。
理想の強さと、現実の強さと、両方必要だ。
現実、この世は、弱肉強食の生存競争の世界である。
そして、同時に、理想を追求しないと、心の奥底の幸福は得られないように作られている。
この、現実と理想の両方を追求しないと、幸福にはなれない。
ややこしい場合は、善を選ぶ、という、それだけでいいのかもしれない。
それを繰り返し繰り返し行う。時に失敗もする。でも負けずに繰り返す。そこに、理想からの生命力がやってくる。
h18.2.2