ガイナックス、という会社名を聞いて、何を思い浮かべるでしょうか?
一世を風靡した「新世紀エヴァンゲリオン」?
NHKで放映されて話題になった「ふしぎの海のナディア」?
ちょっと古いアニメファンなら「王立宇宙軍 オネアミスの翼」かもしれませんし、最近の人なら「彼氏彼女の事情」かも?
僕は「おたくのビデオ」と「トップをねらえ!」と「電脳学園4 エイプハンターJ」です。「トップ」と言っても、アニメ作品ではなく「電脳学園3」の方だったりします。
中途半端に知られている感がありますが、ガイナックスはゲームも手がけています。有名な「プリンセスメーカー」も、かつてはガイナックスから販売されたものです(現在はナインライブスが製作)。
この「電脳学園」シリーズも、その昔、ガイナックスが製作したクイズゲームです。ADV+クイズという形式をとっており、クイズに正解していくと登場人物が脱ぐという脱衣クイズ(当然(?)ながら脱ぐのは女の子)です。ガイナックスならではの人脈を活かしてか有名イラストレーターが原画を手がけていたりして、その筋では話題になっていました。(後に、博多だかどこかで、PTAからクレームがついて、その地方でのみ発売禁止になったという事件があったような……?)
シリーズを重ねるにしたがって、ADV+クイズのADVの方に比重が寄ってくるのですが、そんな中で三作目として登場したのが「トップをねらえ!」でした。よりによって、アニメ版を作った会社が、そのキャラを使って脱衣クイズゲームを作ってしまったというこの暴挙!! 最近では、Win版の「エヴァと愉快な仲間たち」もそうだけど。……ところで、ここで一つゴメンナサイ。実は僕、「電脳学園3 トップをねらえ!」は未プレイなんです……。
………………。
……気を取り直して続きを。そして登場したシリーズ第4作目。「エイプハンターJ」というサブタイトルの付けられたこのゲーム。はっきり言って今のご時勢では発売禁止になりそうな内容だったりします。
うろ覚えな記憶を総動員し、適当に補間しながらその設定を書くと……
スポーツ平和党が政権を担い、アントニオ猪木が初代大統領となった近未来。日本は「猿害」に悩まされていた。人間そっくりに進化した猿が、人間社会に溶け込んでいたのである。こういった猿は豊臣秀吉を初めとして、歴史にも介入していたことも近年の研究で知られるようになっていた。
そして、巧みに生活に紛れ込み人間の生活を脅かす存在である猿どもを、政府公認で狩ることを生業とするハンター達が存在した。(たしか、チェルノブイリの原発事故が原因で数が爆発的に増えたんだっけな?)
その一人が!我らがエイプハンターJである。うすボロいマントとアコースティックギターを見につけ、彼は電脳学園(女子校)に潜む猿を狩るべく、調査を開始した……というストーリー。電脳学園の校則には、クイズ勝負に敗れた者は衣服をはぎ取られるという一条がある。マニアックなクイズ知識と殺人的なギター&ソングを武器に、Jは猿の証しである真っ赤な尻を探し求めるのである!!
……この時点でかなり頭が痛くなりそうな素晴しい内容だと判ってもらえると思う。スポーツ平和党が政権を奪取し、アントニオ猪木が初代大統領となっているってなんなんだーー!!!
そしてこのソフトにはある特典が付いていたのです。……それは教科書!! 「猿害」について、事細かに記された教科書です!! それはフォント・サイズ・デザイン・装丁に至るまで、完璧なまでに学校教科書を模倣して作られたこだわりよう!!
僕にとってガイナックスとは、作品に対して異常なまでのこだわりをもって、ばかばかしい事にまで徹底してくれるメーカーの代表格だったのです。(過去形)