超兄貴
メサイヤ
PC-Engine

 PC-Engineというハードが産み出してしまった、怪物・怪作という呼称がこの上なく似合うゲームである……。
 基本的には横スクロールタイプのシューティングゲーム。主人公はイダテン・ベンテンという二人の神様(?)からいずれかを選択し、お供のサムソン・アドンを引き連れて敵の親玉を倒しにいく……というストーリー。なんか、銀河中のプロテインを独占しようとしている悪のボディビル帝王だとかそんな感じだったような……
 スーパーマンのごとく宇宙を飛ぶ主人公! その上下を守るオプションとして、きりもみ回転しながら飛んでいるスキンヘッドかつマッチョダンディのサムソン&アドン(「グラディウス」のオプション風)。パワーアップアイテムはプロテイン! プロテインを集めてビルドアップ!!(パワーアップ)
 味方がこんな連中なのに加え、敵も全て薔薇と筋肉の似合う男臭い猛者ばかり!
 だがしかし。そういったビジュアル的なものよりも更にインパクトが有ったのが、葉山宏治氏によるサウンドでした。妖しげな男声サンプリングを大胆に用いたサウンドが、氏独特の熱いメロディーと相まってゲームの世界をより深く!怪しく!盛り上げていたのです。男声部分だけがピックアップされ、色物・異色作として捕えられがちですが、メロディラインの熱さあってこそだという事は強く言っておきたいですね。(後に製作された「愛・超兄貴」という作品は別の方が音楽を担当されていたのですが、やはり男声をフィーチャーしているにも関わらず、「超兄貴」ほどの熱さはありませんでした)
 事実、名盤として名高いサントラ「超兄貴 〜兄貴のすべて〜」は、氏のWebsiteの情報によると、ゲームソフトよりもサントラの方が売れたんだとか。TV番組の音素材としてもよく使われており、ワイドショー・ニュース番組・バラエティーなどで、BGMとして使われているのを今でもよく耳にします(「印税払え!」という、葉山氏のコメントも見たことがあるけど……)。また、このサントラからシングルカットされた「仁義なき兄貴」というシングルは、オリコンの邦楽部門で20位以内に入ったという記録も残っています。
 「超兄貴」はシリーズ化され、PC-Engineで続編のシューティング、SFCで格闘ゲーム、PSとSSでシューティング、WSでカードゲームRPGが製作されていますが、やはり初代のインパクトが一番強いですね。あとはSS/PS版。葉山サウンドあってこそ!という気がしますね。SS/PS版(超兄貴 究極銀河最強男)は今なら中古ショップで安く手に入ると思いますんで、馬鹿ゲーが好きで初代PC-Engine版を未体験なら是非ともプレイしておくことをお勧めします!
 ところでベンテンは女性の姿をしてるけども、実はニューハーフだという話を聞いたことが有るんですが……本当なのかなぁ?


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