Nights
SEGA (Sonic Team)
SS
(セガあれこれ 前編「→SS」)

 ソニック・ザ・ヘッジホッグを製作したスタッフが、セガサターンで発表したアクションゲーム。
 夢の中をイメージしたステージ構成、遊び心に溢れるゲーム内容、幻想的かつ世界観にマッチしたサウンド、「空を飛ぶ」感覚を十二分に楽しめる、そんな作品です。
 「ナイツと一緒に空を飛ぶ」というキャッチフレーズを実感できた最終ステージや、サイレントでありながら物語を感じられるビジュアル(ムービーのが質は悪いけど……)、シンプルな簡単操作かつ奥が深い操作感覚……などのおかげで、実に万人向けの作品……であれば良かったのに。残念ながら万人向けとは言い難い側面を持っているんです。
 間口は広く敷居は浅いんです。普通にクリアする分には、難易度は決して高くはない。単純にナイツで飛び回っているだけでも楽しいんですよ。
 ステージクリア時に、プレイ内容によってランク付けされてしまうんですが、ここで最高であるAランク(だっけ?)を全ステージで取ることが出来るとEDが変化する! これが厳しいんです。シンプルかつ奥が深いということは、その奥が深い部分のテクニックを要求されると言う事でもあります。そういった腕を持っていないと、とてもAランクなんて取れやしません。
 けっこう頑張ったのですが、僕は結局オールAクリアは出来ませんでした。そのオールAのEDがどんな内容なのか、今でも知りません。それが心残りです。
 セガのゲームには、どうもそういう傾向があるんですよ。それがまたセガのゲームの魅力でも有るんだろうけども。
 間口が広いけど、奥が深い。深すぎて、マニア好みする傾向に走る。初心者が手を出しづらい。そして、その深いところにだけ用意されている何かがある。技を磨いた達人同士が競いあう事に、やり甲斐を見い出せる方向性なんですよ。
 バーチャファイターやバーチャロンなどのそういった部分を、わざわざここで書くこともないだろうけど。特にアーケード作品に多く、それと同時にセガの大作ゲームといえばアーケードからの移植が多い。一時期の格闘ゲームブームも下火になり、ゲームセンターから客足が遠のきつつあるのにね。そうして考えると、アーケードからの移植作がメインっぽくなってしまっていたSSがPSに敗北したのも当然といえば当然なのかもしれないけど……。
 それを否定するつもりはない。好きならばやりこめばいい。やり込めるだけの深さがあるのもいい。しかし、決して多くの人間には受け入れられないだろうと思う。「趣味はゲームです」という言葉にかつてのマニアックさがなくなりつつある中、そう言う人達の何割がいわゆる「ゲーマー」と言えるのだろう? いや、PSユーザーの多数を占めると言われている「ライトゲーマー」という言葉に対抗し、「コアゲーマー」と言うべきか?

(つづく)


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