FINAL FANTASY 7
ていうかエアリス論(笑) もしくは「LOVELESS」あとがき
SQUARE
PS

 PSが市場競争に勝利する引き金となったソフトと言っても過言ではないでしょう。
 それまでとは一線を画したグラフィック、良質のシナリオ、ともに一級品であり、それを支える音楽もまた素晴らしいものでした。
 おそらくはPS、いやTVゲーム史上最高のRPGと呼んでもいいでしょう。WILD ARMSはこれを越えますが(笑)

 と言うわけで今更、僕が書くまでも無いだろうと思ってたのですが、LOVELESSって小説の題材にしちゃったんで、それのあとがきという意味も込めて、俺的なFF7論みたいなものを一発。
 タイトルはLUNA SEAの同名の曲から拝借したもので、アルバム「MOTHER」に収録されています。そもそも書き始めたきっかけの一つが、この歌の歌詞とFF7の内容にシンクロニティを感じたことだったんです。他にいくつか条件が重なって、「よし、一度やってみよう」って事で始めました。

 ところで、僕の中でエアリスってキャラは娼婦です。花売り=娼婦なんて、安直かつ下卑た、その上に古くさい発想ですが、この一点は譲れません。

 そもそも、エアリスがクラウド達に同行するきっかけが判らなかったんですよね。気がつきゃ一緒にいたというか。他のキャラの多くが自分なりの目的を持っているにも関わらず、彼女は存在意義こそ重要だけども舞台に立つきっかけってのが希薄だと思うんですよ。まぁ、それに適当な理由付けを探している内にこういう結論に至ったんです。
 喰うためには仕方がない、でもこの境遇から脱したい。自分で逃げ出す勇気がないから、誰かに連れ出して貰いたい。そんなことをエアリスが夢見ていたのなら、クラウドとのドラマチック気味な出会いってのは、自分を今の場所から連れ出してくれる人だと彼女に信じさせるに充分な要素だったのではないでしょうか。
 エアリスの育ての母。この人は一見いい人そうなんですが、ゲーム序盤でエアリスの部屋で休んでいるクラウドに「出ていってくれ」などと言ったのは、「エアリスの身が心配だから」であると同時に「稼ぎ手が居なくなるから」って意味合いにも取れます。ていうか、一輪一ギルの花売りだけで暮らしていけるとは思えない。リアリティを追求するがゆえに、中世ファンタジー風の世界を放棄したスタッフですからね(インタビュー記事による)。きっと何かあると思うんです。

 仮定をさらに推し進めます。どことなく自分の境遇に対して引け目というか自虐的な要素を心の奥底に多少なりとも持っていたのなら、ゲーム中盤で死を迎えたとき、エアリスは割と満足して死んだんじゃ無いのかな、って思うんです。何故って言われるとうまい言葉が見つからないんですが、こんな自分でも誰かの役に立てたのだという満足感ってのが、一番ニュアンス的に近いんですが……

 では、彼女の純真さというか、素朴さってのは偽物だったのかというとそれはNOです。あれがきっとエアリス本来の姿だと、それは間違いないと思います。良い意味での田舎娘っぽいというか……。
 それまでの境遇から脱したことによる開放感や、押し込めていた自我の解放ってのは有ったかもしれませんが。どういう境遇にあっても、あの前向きな姿勢を崩さないところが彼女の魅力であって、同時に強さだと思います。だから、別に本職が娼婦だったとしても、そういう事とは別の所に彼女のアイデンティティは有ると思うんです。

 とまぁ、そう言うわけで僕はエアリス派ですね。ティファの一途さってのも良いんですけどね(結局どっちだ!?)


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