グランディア
ESP / GAME ARTS
SS

 1997年末商戦におけるセガサターン最大の切り札だったRPGです。
 が、すでに市場競争ではPSに決定的な差をつけられたSSですから、サターンのみのユーザーならともかく、両方持っているユーザーにとってはいまいち陰が薄かった作品かも知れません。ハードそのものの普及に功を奏したかという所になると、かなり疑問でしょう。
 それにしても買っている雑誌がSATURN F●Nなせいか、サターンユーザーってのはとても排他的って印象が強いんですよねぇ。「くたばれスク●ェア」とか「あんなモン(PS)は子供の遊びだ」とか「E野様バンザイ」とか。まぁ、これも棲み分けの一つの形なのかも知れませんね。いいじゃん、遊びで。そんな人たちは、FF8がSSで出ても買わない上に、「お前らなんかSSに要らんわ!」って言っててください。自分たちがSSに参入してないメーカーをボロカスに言うから、参入メーカーが少ないとは思わないんでしょうかね。

 おっと、本題からそれすぎた。ごめんなさい。
 さて、このグランディア。正直言って発売前の印象はあまり良くありませんでした。主人公があまりに若すぎるとか、いまいち物語の概要が掴めないとか、その他いろいろ。買った理由も、他に特にするものがなかったのと、漠然と長編RPGがしたかったって言うのと。そんな感じでした。ただ気になっていたのは、一月経っても店頭価格が新品/中古ともに下がらなかったこと。SSのゲームは値崩れが激しいので、これはひょっとして期待していいのかな……って思いは有りました。

 で、初めて5時間もすればどっぷりとハマってました。
 主人公が若すぎるってのは「元気がいい」、物語の概要が…ってのは「冒険物だからそりゃそうだ」。見方を変えるとこんなモンです。未知の世界を冒険する楽しみとでも言うでしょうか。フロンティアスピリッツを煽りに煽られ、中盤の頃にはほとんど中毒状態でした。休みの日なんか、朝から翌明け方までやってました(笑)
 ちょっと演出のクサいトコってのはあるんですが、少し気恥ずかしいくらいの展開がかえって心地よかったりして。エンディングまで約60時間を隅々まで堪能しつつも一気に駆け抜けました。エンディングの後の爽快感と達成感は、これまでのどのRPGにも勝るでしょう。続編は要りません。
 サターンの主なユーザー層には合わないかも知れない作風ですが、疲れ切ってる大人の人や、学業に追われる学生さん、そしてゲームの楽しさを覚えたばかりの子供達にも、ぜひともプレイしてもらいたいと思います。攻略本なんて見ずに、未知の世界をどきどきしながら冒険してください。
 現代の日本では失われた、遠くを目指す心に溢れていますから。


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