PSの「東京魔人学園剣風帖」というゲームをご存じでしょうか? 一部で熱狂的なファン層を持つアレ。何せ公式HPには「成人向け掲示板」というのがあり、さらに「ノーマル」「やおい」と分けられているほどのアレ。
まぁそういう香りはふんだんに散りばめられてはいるんですが(汗)そういうのは抜きにして、伝奇物・学園物として「どこがどうとは言えないけど、なんとなく楽しい」SLG(と言うよりはS・RPG)です。変な書き方だけど、ゲーム誌レビュー風に点数つけるなら85点はあげます。
で、やった人なら判ると思うんですが……このゲーム、ラーメンを抜きにして語ることは出来ません(大爆笑) もう、しょっちゅうラーメンを食いに行く。「腹減ったなー」という一言を誰かが言ったら危険信号。ラーメン屋行きがほぼ決定。
最近、セカンドプレイを始めてちまちまと進めているのですが、無性にラーメンを食いに行きたくなったのですよ。
しかし無職の身の僕にとって、ラーメン代はかなり手痛い出費。どうせ喰うならいいものを喰わないと納得しない。そんじょそこらのラーメンじゃ駄目だ……
そんな訳で思い立ったのが「『天下一品』総本店のラーメンを食べに行こう!!」というもの。以下天一と呼びます。
このラーメンのえげつなさをご存じない方のために俺的に解説。まずこれ、ラーメンという概念で測ってはいけない食べ物です(笑) 見た目はとんこつラーメンに近いのですが、正体はまったくの別物です。
まずスープですが、こいつが泥っぽい。味はポタージュスープと焼豚と鶏ガラスープを混ぜたような感じ……と言えなくもないけど、あれは「天一の味」としか言いようがないです。店の宣伝文句によると「鶏ガラと十数種類の野菜を煮込んだ低カロリーかつ栄養価の高いスープ」らしいんですが、具体的なカロリーは不明(笑) 豚骨・豚肉・鶏ガラがベースだと思うんだけど……。こう書くとイロモノっぽいんですが、イロモノと言うよりはキワモノですね。ハマる人はとことんハマって何度も通うけど、駄目な人は一口で挫折。でも人気高いっすー。
麺は太め。具はメンマ・チャーシュー数枚・ネギというのが一般的。テーブルにはからし味噌・ニラ・ラーメン用たれ(味を濃くする)などの薬味が備え付け。店によってはゆで卵が無料で有ることも。ネギが備え付けの店もあるんで、この場合はネギを大盛りにすることをおすすめ(スープを吸ったネギがうまい)。
詳しくは「超弩級らーめん・天下一品」を参考に。
長い前置きだった…(笑) さて、どうして総本店なのか? それは、総本店と支店とではスープが違うからなのです!
天一には持ち帰り用セットが売られていて、中には麺とレトルトのスープが入っているのですが、どうも支店ではこれと同じものを使っているようなのです(推測)。これはこれで悪くはないと思うので普段はこれを食べているわけなのですが、総本店では(他にも数件の支店もそうらしいけど)昔からの製法でちゃんとスープを作っているらしい。
経験者は皆が口をそろえて「総本店のがうまい」と言います。かくいう僕も三回ほど総本店へ行った事があるんですが、一度目・二度目はまだビギナーだったので違いが判らず、三度目の時は風邪で味そのものが判らないという始末。
ここ数日のラーメン喰いたいエナジーの相手として、総本店は申し分のない相手です。ただ問題が一つ。それは総本店の場所が、京都市の白川通りにあるということです!!
ただでさえ貧乏な俺。電車賃なんて出せません。そこで我が愛用のおんぼろタクト(原チャリ)で京都行きを計画。
まず、ルートが判らない(汗) だってさー。うちの家って車ないし、車に乗る機会自体が少ないんですよー。漠然と「京阪電鉄沿いか、近鉄電車沿いに行けばなんとかなるか……」などと思うものの、近鉄沿いだと大阪府と奈良県の境で山越えをする必要があり、どういう道があるのか判らない。阪奈道という道が有るんだけども、これってほとんど峠なんで怖い!
あれこれ悩んだ末に、友人に尋ねる事にする。「大阪−京都 or 大阪−奈良−京都 のルートを教えて〜」と。帰ってきた結果は……「国道1号をまっすぐ行けば京都に着く」「163号→24号を北上」「大阪から奈良へは163か25か阪奈。奈良から京都へは京奈バイパス」などなど。一番判りやすそうな1号線直進をチョイス。俺の記憶では、1号線っていわゆる東海道と呼ばれるやつだっけなー、などと考えるも「1号線って、どこ?」という次なる問題がわしを信じて待っていてくれたのじゃよ。
再び友人に尋ねることに。「うちの家から1号線に乗ろうと思えばどう行けばいい?」結局、家の近くの大通り(内環状線)をまっすぐ行けば1号線ということらしい。
朝起きると寒かったので、愛用のNANKAI RACINGのジャンパー(防寒に最適)に身を包み、朝9時に出発。手袋も忘れない。まずはガソリンを満タンにし、内環状を北上。生野区−東成区−城東区……と順調に通過。
この時点での問題。
という悪条件の中、ずんどこずんどこ北上。しまいに守口市だか吹田市だか伊丹市だか……まぁとにかく大阪市外に出る。「ひょっとして行きすぎた?」なんて思いつつも走ってたら1号線の看板が見えてきた。右折して1号線に乗る。京都まで残り40km。平均x5km/hで走れば、信号待ちを考慮に入れても1時間強で着くかなー? なんて考える(原動機付自転車の法定速度は30km/hです!)。
- タクトがボロ。トラブったら帰れない。まだ東京に居た頃、シャフト修理をした際に「次にやっちゃったら寿命かもね」とまで言われた。まぁ中古で保険料とか込み込みで\60kだったしね……。一年で2000kmくらい走ってるし。って俺、そんなに走ってたのかー。びっくり。
- タイヤがつるつる。↑の修理の際「タイヤがかなり減ってるからそろそろ交換じゃない?」と言われつつ交換してない。
- 乗り手がヘボヘボ。前にこけて半月〜一ヶ月くらい足腰を痛めて以来、車体を傾けてのコーナリングが怖くなった。
- 途中でトンネルがあったらやだなあ。(怖いし、ライトが上向きしか点かないから<整備不良で違反だってーの!)
- 内環状と1号線の交差する場所が判らない(行き過ぎたかどうかの判断に悩む)。
- 京都までの距離が判らないので所要時間も推定不能。
- 1号線で京都に着いてからの地理がサッパリ。
- 雨が降りそうだ。
しばらく順調に走ってたんだけども、守口市の大日交差点付近で1号線がグニャグニャと曲がりやがる。曲がるだけならともかく、他の道への分岐も兼ねててとまどうことこの上なし。案の定道を間違え、重いタクトを押して歩道橋を渡る羽目に。でも面倒なので歩道橋でエンジンかけて登った(汗) <駄目です。
なんとかかんとか、いかにも国道でござい!!みたいな(どんなだ?)道に出る。十時前だったかな。時間が早いせいか、大型小型おまけにデコトラとトラックだらけ。特に大型!
ところで、偏見だらけの俺の敵車
あと、スポーツカーも苦手。乗ってる人はたぶん運転がうまいと思うんだけども、うまいからこそギリギリまで寄せてくるんですよ(泣) こっちは「ここでこけたら間違いなく下敷きだな……」と思うと怖くて怖くて仕方がない。下り坂とかで、怖くてスピード落とそうとしても、後ろが詰まってると落とすのも怖い。
- タクシー(どこにでも急停車するわ、流れ無視してのろのろ走るわ、急な車線変更もしょっちゅう!!と迷惑この上なし……。乗ると便利なんだけど)
- トラック&バス(前にいると視界が悪くなる。後ろにいると威圧感たっぷり。横を追い抜いていく時は威圧感百倍!)
- クラ●ン(どういう訳だか相性が悪い。よく危ない目に遭わされる。つーか、クラ●ン乗りって運転マナー悪い人が多いような……(善良オーナーの方、ゴメン)。あと、東京時代の腐れ社長の車がクラ●ンだった(笑) タクシーもこいつが多いしね……)
- エアロパーツとかつけてる車(笑)
逆に安心出来るのは……
まぁ、いわゆるファミリーカーとか大衆車は安心ですわ。こうやって書くと苦手な車の方が多いみたいだけど、実際には安心できる車の方が世の中には多いわけだしね。高い車ほど怖い!
- 軽自動車や小型車(スターレットとかコルサとかあの辺ね)(基本的に飛ばす人は少ないし、横を抜いていくときも小さいからちょっとゆとりのある距離で抜いていってくれる)
また脱線した!!(笑) とにかく、走ってる車の3割〜5割、下手すりゃそれ以上がトラックだったのですよ!!
信号も少ないので、みんなガンガン飛ばしてます。僕はと言えば、路面状況がいい時でx0〜x7km/h(限界)くらいで、少しでも路面がやばそうだと(後述)y0〜y5km/hに減速。どのみちまずいけど(再度、原動機付自転車の法定速度は30km/hです!)。
ところが回りはガンガン飛ばしていく訳ですよ。んで、タイヤがズルズルのせいってだけでもないんだろうけど、少しでも道が凸凹してるとバランスが崩れる。いや、たとえば進行方向に向かって垂直になってる凸凹はオッケーなんですよ。困るのは進行方向に対して平行なやつ。とくに僕は原付ということもあって、普通は道路の左端を走るんですが、こういうところほどアスファルトが均一になってやがらねー(泣) 四輪なら全然怖くないんだろうけども二輪にとっては致命的っすよ(泣) 寝屋川市−枚方市と進んできたあたりで、少し後悔し始める。小雨もぱらつき始め、雲行きもかなりやばい。
しかしここで引き返すのももったいないのでビクビク進む。たぶん、他のドライバーからは「邪魔な原チャリ」と映ったことだろう。ていうか、バイク自体ほとんど見かけなかったし、原チャリなんて俺しか居ませんでした。ついつい「この道って原付禁止?」とか思ったくらいだもん。
しばらく進むと「伏見区」という表示が目に入る。伏見区と言えば京都! 知らない間に京都入りしていたらしい。とりあえずコンビニへ入って地図を立ち読み。
とりあえずその時点での僕は京都市の一番南端の方に居るらしい。白川通りの場所も探してみると、京都市の北東の方だと言うことが判明。1号線が東寺前で右折しているので乗ったまま進む(この時点で東向き)と東大路通りに合流。この通りは途中で北上するルートに変わるっぽいんでそのまま北上。百萬遍の交差点を右折すると今出川通りに乗るのでそのまま真っ直ぐ行くと、南北に伸びる白川通りに合流……と、なんともどっかで聞いたような地名がずらずらと!! 急に「あぁ、京都に来たんだな……」と実感。
あとはおおむね順調に進む。東寺を越えると市街地っぽくなってきて、それまで暴力的だった車の流れも落ち着いてきて、安心して走れるようになった。路面も整備されてたしね。
案内板を頼りにしていたこともあって、常に二車線以上の大通りを走っていたのですが、こんな通りの中にも多くの寺社があるのになんとなく感動。参詣客もちらほらと訪れていました。僕はと言えば知った名前の寺社の前を通ると、ちょっとお参りしていこうかなーとも思ったのですが、拝観料取られたら困るのでパス。三十三間堂の前とか通ったんだけどさ。天候も怪しかっんで、早いトコ用事を済ませたかったというのもあったし。また、修学旅行とおぼしき集団も多数見かけました。ところで京都にも大仏ってあったんだねぇ。
ずんどこずんどこ進んで総本店へ到着! 時間は11時半くらいだったと思います。
やっぱり総本店は違う!! はっきりと判りました。コクが違う! さっき書いた天一のスープの味ってのも、ここで食べたものを参考に書いたものです。ただでさえ美味しい天一のラーメンが、ここでは段違いにうまい!! こりゃ別格だわ……
走ってる最中に何軒か天一の支店を見つけ、そのたびに「ここで妥協しようかな……ひょっとして本店と同じ製法でスープ作ってるかもしれないし……」と思ったりもしたのですが、来て良かった!!
ひとしきり満足した後は真っ直ぐ帰路に。疲労のせいかタイヤがさらに消耗したのか、行きよりもタクトは安定しなかったけども、朝よりもトラックが少なかったおかげでそんなに怖くはありませんでした。途中、木津川やらを横目で見物したりする余裕もあったし。行きで迷った大日交差点付近も、帰りはすんなりと行けた。たぶん京都方面へ向かうのだけややこしい道なんだろうなー。
この辺りでガソリンメーターがレッドゾーンに突入しそうだったので、今朝ガソリンを入れたGSで再び給油。3.1リットル。つまり、往復でそんだけ使ったって事かー。距離的には80km強だったんで、リッターあたり26km弱って計算っすね。で、二時半ちょうどに帰宅。五時間ほとんどタクトに乗りっぱなしだったんだけども、一時間あたり16kmしか走ってない計算になるんだよね。うーーーん……あんだけ必死で飛ばして(飛ばすのは嫌なんだけどね……)そんなモンなのかー?! と、ちょっとびっくり。
怖かったけど面白かったなー。なんか「旅!!」って感じでさ。でも当分やらない(笑) まずはタイヤを交換しないと。1999/10/19 橋本竜也