かな入力VSローマ字入力。('99/03/26)

異論反論求む!!

 キーボードからの日本語入力には、主に二種類の方法があります。ローマ字入力とかな入力。主にって言うからには他には有るのかって言いますと、一覧表からの選択やJIS/Shift-Jis/句点の各コード入力ってのが有ります。
 僕は主にローマ字入力で、キーボードから直接入力できない記号のみ一覧から選択しています。仕事の時は、よく使う記号のみコード入力も併用してます(いくつかは覚えたので)。ブラインドタッチはとりあえずできます。タイピング自体は速いほうではないでしょうか(自信は有るのですが、僕よりも速い人間が友人に何人かいるので……)。かな入力は滅多に使いませんし、ブラインドタッチもできませんが、素人よりは速いと思います。

 今回のお題は、ローマ字入力とかな入力、速いのはどっちだ? って事についてです。
 一般的には「慣れやすいのはローマ字。ただし、慣れさえすればかなの方が速い」と言われてますが、僕はこの意見に対して疑問を抱いています。とくにDTP関連の仕事に就き、文字を入力する機会が増えてからは確信するに至りました。
 結論から言えば、「文章の質にもよりけりであるが、原則的には、かな・ローマ字それぞれの入力を両方とも使いこなせないのであれば、ローマ字の方が速い」というのが僕の持論です。両方を使いこなすのがベストは当然として、そうでなければローマ字が速いと思ってます。その根拠を以下に述べます。また、ここではキーを1回押すことを1ストロークと呼ぶことにします。

 かなの方が速いという根拠の最たるものが、ローマ字は母音以外の入力では2ストロークを要するけども、かなは1ストロークで済むからというものです。確かにもっともな意見なんですが、かな入力には致命的な欠点があります。それは数字・記号・アルファベットの存在です。
 まず、数字に至ってはテンキーを使わない限り、入力モードを「かな入力」以外に切り替えないと入力できません。テンキーを使う場合は、右手をテンキーの位置まで移動させ、再び日本語を入力するときはまた左側へ戻し、かつホームポジションへの固定を行う必要があります。数字ばかりを大量に入力するならいいのですが、かな・数字が混じった文章を打つときは、はっきり言って無駄な動作が増え、タイムロスに繋がります。同様の理由で記号の入力にも時間が掛かります。かな入力モードのままでは、キーボードから入力できない記号はけっこう多いものです。!@#$%^&*_?;:・<>{}()などなど。句読点やカギカッコでさえ、Shiftを押しながらでないと入力できません。<機種によって若干の差が有ります。また、設定によっても変えれるかも。
 カッコ類と!?の入力は痛いですね。あと、&も。
 これらを入力するときだけローマ字入力に切り替えればいいのですが、そのためには手の移動が必要になります。いや、僕が知らないだけで、入力する方法は有るのかもしれないんですけどね。例えば数字とアルファベットは、Macであればかな入力モードであってもoptキーを押しながらであれば入力可能です。<ATOK8 for Macintoshで確認。opt + Shiftで記号も可。Winはショートカットの関係で無理じゃないのかなぁ。
 また、なんだかんだでアルファベットを打つ必要だってあるでしょう。英語表記の固有名詞、DOSやUNIXのコマンド、HTML用のタグ、プログラムやマクロを記述するならコードほとんどがアルファベットだし、URLにメールアドレスetc... 挙げだすとキリがありませんが、これらを素早く入力しようとすると、やはりローマ字入力でアルファベット入力に慣れていた方が速いでしょう。
 かな/ローマ字を切り替えつつ、両方の入力形式を使いこなすのがベストって事になるんでしょうが、実際にはそんなことができる人はそうそう居ないでしょう。ここからが本題。
 で、ある程度タイピングの速い人なら判るでしょうが、1ストロークと2ストロークの時間差よりも、手の移動+ホームポジションへの復帰にかかる時間の方が圧倒的に長いと思います。もし、その1ストローク差の方が長いようじゃ、自覚もあるでしょうが残念ながらお世辞にもタイピングが速いとは言えないかと。速くなりたいと思うなら練習あるのみです。別にいいなら、ここまで読んでないでしょ? 練習と言っても、わざわざタイピングソフトなんて買わなくてもいい。単にちゃんとした日本語を毎日打ち込む習慣を付ければいいんです。句読点や感嘆符(!)に疑問符(?)、カッコ類をちゃんと付けるだけでもいい。遅いうちは日記なんかがベストですし、少し慣れてくればBBSやチャットに毎日参加するのもいい(特にチャット)ですね。とにかく毎日! できるだけたくさん打つ。僕の場合、「この単語はこう打つ」「この組合せだとこう指を動かす」みたいな感じで、流れで覚えてます。そういう人、結構多いんじゃないかなぁ?

 ただ、僕みたいに我流のタイピングになりたくなければ、タイピングソフトとかの方がいいかもしれません。 →余談

 むろん、時間差の方は蓄積していくものですが、アルファベットや数字・記号の多い文章で有ればおそらくは、最初からそれらの入力ができる(=前述の移動+復帰の時間が無いに等しい)ローマ字入力の方が速いんじゃないかと。英語/日本語両対応だし。なんだかんだでアルファベットを入力する機会は多いんだから、それでかな入力よりも時間をかけてれば、ストローク数の差によるリードも無くなるでしょう。
 他には、使うキー数の問題も有るんですけどね。かなを入力する際、かな入力が四列+Shiftキーをフルに使わないといけないのに対し、ローマ字入力は下三列のうち8割程度だけで済みます。僕は指が短い方ではありませんが、無理のない程度の指の曲げ伸ばしで移動できるのは、縦三列が精いっぱいです(ためしに5からB = エからコ へ移動してみれば判るかと)。最上段へ移動しようと思ったら、手首の前移動も伴います。<タイムラグだけでなく、ホームポジションのずれにも繋がる。三列ならほとんど左右移動だけで入力可能。
 これらの要因によって、実際の入力時間差はかなり縮まると思うんですよ。総ストローク数は圧倒的にかな入力に軍配が上がるでしょうが、ストローク間の時間はローマ字の方が若干速いと思う。 ホームポジションからの移動と復帰がほとんど無いのもローマ字の利点。というわけでかな入力が速いというのは、ローマ字も使えて初めて言えることだと思いますし、どちらか一方にしぼるならばローマ字だと思うのですが、いかがでしょうか? 同じキー数で、入力できる文字種類はローマ字の方が圧倒的に多いんだから。少なくとも、ローマ字入力ならばかなもアルファベットも記号も(ある程度)打てますが、かな入力では制限が多いですしね。

1999/03/26 橋本竜也



おまけ
 余談ですが、僕のタイピングはかなり我流です。タイピングソフトやものの本によると、指によって押すべきキーが定められていますが、僕はほとんど決まってません。使う指はアルファベット用がが人差し指・中指・薬指、右は人差し指と中指がメインで、たまに薬指も使います。左右の小指でShiftを押し、右の小指か薬指でリターンを押す。親指は左右ともにスペース。CTRL, Alt(Macだとopt, cmd)などは、左の薬指か小指。はっきり言って、人差し指一本打ちが三本指に増えてバカっ速くなっただけです(笑) ホームポジションは左手の小指がShiftに有る状態で、右は特になし(三本指のいずれかが、Kに触れている事が多いです)。速いのは速いのですが、スタンダードスタイルに比べて、手首の左右移動が多いので疲れやすい事と、速度の上限が低いことが欠点です。長所はありません(笑) 既にこのスタイルでの限界近くに来てます(泣) そういや、macintoshのキーボードとWindows系キーボードでは、ホームポジションの位置が違うんですよ。MacはDとK、WinはFとJに、キーの形状に若干の違いがあります。知ってました?
 ちなみに、僕は家ではWin (NEC PC9821Xa)を、会社ではMacを使っています。コンピュータ歴は8年強ってとこですかね。人並みよりは濃いめの8年だと思います(汗) 小説歴とほとんど等しいし、パソコン通信にもかなり熱心に活動していたので、この8年間はかなり日本語を打ち込んでます。


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