98年の映像作品を振り返る。('99/02/25)

 98年に僕が見た映像作品の中で、印象に残っている上位を挙げてみようという企画でござ候。ちなみに僕が観た時期であって、発表時期ではありません(笑)
 アニメ編と実写編に分けます。

アニメ編

一位:COWBOY BEBOP(テレビ東京系放映→完全版をWOWOWで放映)
 やっぱ1位はこれですわ。カウボーイビバップ。
 時代に逆行するかのように、ギャルギャルしさを極力排除した渋い作り。全編に唸る菅野よう子サウンド。サントラはバカ売れするわ、普通のCDショップの「話題盤」みたいなコーナーで平積みされるわその他もろもろ。
 映像、ストーリー、セリフ、全てにおいてセンスが光る98年屈指の名作でしょう。地上波では12話+1しか放映されず、その後WOWOWで全26話が放映されると聞いたときは真剣にBS導入を考えたくらいです。
 主人公は四人組(?)なんですが、それぞれのキャラクタに深みが有ってねー。今、ビデオでリリースされてるので一度見ることをお奨め。

二位:TRIGUN(テレビ東京)
 僅差で2位。トライガン。
 東京ローカルで、引越が本放映には間に合わず、山田純司氏にビデオで借りて見ました。
 ビバップがジャズなら、こっちはロック。
 一見コメディ調なんですが、その根底に流れるテーマは深いです。主人公は他人を傷つけることをもっとも恐れるガンマン。笑って、笑って、笑われて、でも深い業を背負っていて。自分の命を狙う敵でさえも傷つけようとしない。
 人を傷つけること、傷つけられること、人を憎むこと、憎まないこと。決して暗い話ではなく、むしろ明るい話なんですが、見終わった後で色々と考えさせられました。

三位:Lain(テレビ東京。1クール遅れで系列局で放映)
 ひっそりと放映された電波系アニメ。
 話の内容は一言で言い切れるモンじゃないです。ネットとはなんぞや? 神って? とかなんだかそんな感じ。とある説明によると「中学生の女の子が、夜中に下着でパソコンの配線をいじる話」だとか(笑) <ちなみに、静電気対策だそうです
 なんだかよくわかんないんだけど、寒気を覚える。よくわかんないけど、食い入るように画面を見ている自分が居る。
 こいつは本放送の半分以上は東京で観れたんですか、やっぱり山田氏にビデオを借りて観ました。ぶっ通しで観たもんだから、見終わった後どっと疲れました(汗)

四位:勇者王ガオガイガー(テレビ朝日系)
 いわゆる「勇者シリーズ」と言われるやつはまーーーったく観てなかったんですが、ガオガイガーは「熱い! とにかく熱い!」と色んなところで聞いてて、熱いもの好きとしては観るしかないと思って途中から見始めました。その後、ビデオで見てなかった分を追いかけたあたり、ハマり具合が判ります(笑)
 この作品の熱さを端的に語るならばやはりコレ。「顎が二つに割れてて、チャームポイントはもみあげ、やたらと叫びまくるちょっとラテン系入った長官」でございましょう。熱いと言うより、熱苦しい……
 もうなんて言うか、「どうすれば熱くなるか?」しか考えてないんじゃないか?って思うくらい、全編が暑苦しいです。叫ぶ怒鳴るは当たり前、ひたすらオーバーアクションの連発なんですが、不思議とくどいとは感じなかったんですよねー。CGの使い方もなかなか面白いものでございました。

五位:機動戦艦ナデシコ劇場版(映画)
 一昨年だかその前だかに放映されたアニメの劇場版。
 続編なんですが、主人公は本編とは違います。元の主人公はと言えば、実に悲惨な運命を辿っているんですが……まぁそれはそれ。
 テレビシリーズでこいつがウケた要因というのを完全に研究しつくして、それを踏まえた作品作りに徹しきってるのは凄いなーと思います。かといってコビまくっている訳でもなく、前述の主人公の事のように「え? マジ? それでいいの?」みたいな展開も有ったりして。そういうアンバランスさをうまく融合させてるあたりが気に入ってます。本編のノリまんまだったらランク圏外でしたね(汗)

次点:少女革命ウテナ(テレビ東京系)
 いやー、全編タカラヅカ。

次点:センチメンタルジャーニーの四国の話(テレビ東京)
 本編の約半分が自作の詩の朗読×3〜4。しかもイメージ映像付き。危険です(笑)

 
 
実写編

一位:ゲーム(洋画)
 ビデオで観ました。デヴィッド・フィンチャー監督。
 もう、最初から最後までドキドキしっ放しで。え?この先どうなるの? で、どっちが本当なの? って感じで。
 テーマ性とかそういうものとか、なーんも気にせず、純粋に物語を楽しめる作品です。最初は「え? よくわかんないや…」とか思ったりもしたけど、すぐにはまり込んでました。
 先がまったく読めない。読んでもその読みにまったく自信が持てない。それが楽しいんです。

二位:セブンイヤーズ・イン・チベット(洋画)
 ビデオで観ました。ブラッド・ピットにハマった要因(笑)
 きわめて純粋な人間ドラマです。幼いダライ・ラマと主人公との交流と、それがもたらす二人の成長。かなり長い作品なんですが、美しい映像と脚本を堪能しているうちに一気に楽しめます。
 最初と最後での、主人公の成長による変化がまた泣けます。素晴らしいです。
 思わず一度チベットへ行きたいと思いました(それは嘘)。

三位:タイタニック(洋画)
 ビデオで観たんですが、映画館で観たかった(泣)
 絶対にダメダメだと思ってたんですよ!! なんとなく。あれだけ賞を取ると「金でも積んだんじゃないかー?」とか思ったりして。
 序盤、やっぱりダメダメだと思ってたんですよ。あっさりとくっつく主人公とヒロイン。なんだ、どこに感動が有るんだよ? みたいな。
 中盤から一気にはまりました(笑) くっついちゃったモンは、それはそれとして受け入れようと思い始めた頃から急展開で。沈み初めてからは「うぉーーっ!!」みたいな。主人公が死ぬとは聞いてたんですが、聞かなきゃ良かった……。
 最後あたりはマジでぐっと来ました。芝居くささが鼻につくかどうかのギリギリのラインで、実に映画らしさ満点でいい感じでございます。なんちゅーか、大作嫌いでもこれだけは観ておけ! みたいな。
 にしてもみんなが言うとおり、別にディカプリオじゃ無くてもいいですよね(笑)

四位:レオン完全版(洋画)
 実は今まで観てなかったんです。
 ジャン・レノ渋い〜!! もう、この映画は彼の為に産み出されたんじゃ無いかと思うくらいのはまり役。
 最後、レオンには生き延びて欲しい。この状況じゃ無理だろうけど、なんとか逃げ延びて欲しい……とずっと思ってて、それが叶ったと思った瞬間………あぁぁぁ(泣)
 それでもマチルダは生きて行くんですよねぇ……。

五位:セブン(洋画)
 観てなかったんですよー。デヴィッド・フィンチャー監督。
 乾いた街と、乾いた狂気。結末にはある種の不条理ささえ感じました。
 あとはもう、何も書けないです。現実の世界を舞台にしているのに、異様なまでの非現実感というか……。なんだかそんな感じで。

次点:ブレーキ・ダウン(洋画)
 なんとなくで借りたら面白かったので、その印象が強くて。

 最後の方では書き飽きてきたのか、文章が手抜きですね(笑) とくに実写映画編に入ってからはなんともかんとも。「セブン」に関してはマジで本音ですが。

1999/02/25 橋本竜也

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