こりゃ、ボツっすな。('98/01/02)

 ども、T-Hash.です。今回は僕がHPで書いている小説、Moonshine(以下MS)の話をしようと思います。

 MSは旧作、Moonlight(ML)の流れを汲む物語なのですが(時間軸においてではなく、基本設定を一部踏襲しているという意味で)、物語を作り出す方法論についてはまったく違うアプローチで書いています。
 MLってのは最初から最後までの物語を設定/構想段階で八割方固めた上で書いていましたが、MSは書いていく中で随時、設定/構想の追加・変更が行われています。本来ならこういう手法でいくと物語や設定に矛盾が生じるのであまり良い方法論ではないのですが、ベースとなる設定がMLの頃に固まっているので、それから逸脱しない程度でなら割と小回りが利くんです。物語がまだ序盤だからできる事でもありますね。
 言い方を変えれば、がちがちの設定で固めて書いているワケじゃないのでいい加減と言えばそのままですが(笑)

 さて、そういう手法で書いているとボツ設定も多数出てきます。今回はそう言った設定の中からいくらかを書き出してみようと思います。逆手に取ればこういう展開にはならない予定って事で。あ、一部先の方で明かされる設定とか混じってますので注意ね。

メカ戦だぁ(笑)
 Epi.2-4で「義体」という概念が登場しましたが、これの旧式というか二世代前の技術と言う設定で、全長3〜5メートル程の小型ロボットが戦場で使われているとかいう設定がありました。
 義体というシステムは現行の技術より二世代〜三世代ほど進歩した、というかまだ試作段階の技術ですので、このロボットの方が現行の技術と言えるわけですね。実は晃司は工学系の出身という設定(Epi4〜5あたりで判明します)になっていまして、こういったロボットの扱いに長けている、という設定でした。
 人型(もしくはそれに近い型)の歩行機械が戦場に出るメリットとしては、人の器用さ・移動力を備えつつ、人が扱えるよりもさらに大口径の武器を携帯できるなどが有り、中盤以降の晃司の特性としてやってみたかたのですが、二つの理由でボツになりました。
 一つに、スケールの問題です。たとえばこのロボットに乗った晃司と拓也が戦うことになったとしましょう。拓也は霊剣士ですので当然生身で戦いますが、全長5メートルもある相手に、どうやって斬りかかるのでしょうか。取っ組み合いになることもないでしょう。こういったアンバランスな戦いの描写というのがつまらなそうというのがまず一つ。
 次に、義体という存在がこの物語上で非常に重いウェートを占めているという事です。MSは中盤以降、魔導工学という技術が物語に密接に関わってくることになります。ですがMSの登場人物はほとんが生身です。そんな中で義体という存在の特異性を強めるためにも、他の機械的な存在は極力排除したかったんです。むろん、他に登場する機械的存在はいくつかあります。ですが登場人物としての機械的存在は、この義体シリーズだけにとどめたかったんです。仮に晃司がそのロボットに搭乗していると、晃司+ロボットというワンセットが出来上がってしまうため、メカだらけですしね。
 そんなわけでボツ。もしかしたら別の小説でお目見えする事になるかもしれませんね。各パーツごとに規格化され互換性を保っている汎用型とか、完全に別系統の型……「コイツの右腕「カスガKS05R」の十七年式は、ほとんど原型を留めていないんだ。相棒が改造好きでね」とか、やっぱ燃えるじゃないですか(笑)

シェラは峰誼の娘だった。
 いや、最初の設定ではそうだったんですよ。で、シェラは純粋に精人だったんです。でも峰誼が封印された為に、一人で長い時を生きていた、と。一族は一緒ですけど、普通の人は60〜80年くらいでバタバタと死んでいきますからね。この世界でシェラの生きている時間とは二桁ほど違います。
 ボツになった理由:しっくり来なかったから。
 いやぁ、登場前でよかったです(笑) 登場しちゃうとそこで確定だから。

………今頃気づいたんだけど、義体でスペース食い過ぎたなぁ。唐突ですがここまで。次こそゲームの話。

1998/01/01 T-Hash.

もどる 掲示板 てがみ感想はこちらまで