銀行預金を持ってはいけない。と常日頃から、私は主張しているのですが、誰も同意してくれません。
技術者であるならば、持てる金をすべて、パソコン、専門書、インターネット接続料、
各種セミナー受講等につぎ込むべきで、さらに
飲み会、毎日飲むビール、なじみのスナックへ一人で飲みに行ったり、目新しい輸入ビールにつぎ込んだりすると
まったく小遣いが手元に残らないはずなのです。
こうして、現金をほとんど持たずにいることに慣れてしまうと、緊急の時に困ることになります。
今日(2003年8月19日)、夕方4時半ごろ、京阪電車の香里園駅と寝屋川市駅の間で車と特急電車が接触事故を起こし、
当該区間が不通になってしまったのです。なんとか、代行バスで帰ったものの、
本当に帰りつけるか、不安でした。
親切な上司が、何かあったらいかんから、と
お金を貸してくれたのですが、恥ずかしくて顔から火が出るほどでした。
おまけに、こんなときこそ必要な携帯電話の電池も切れているし、まったく大人の男とは思えない
状態です。
う〜ん、技術者であるまえに社会人であるべし。
技術者は銀行貯金は持ってはいけない、が、常にサイフに100万円ほど入っているように心がけたい。
あくまで希望です。
ああ、恥ずかしかった。
徹夜で仕事をするべきか、どうか、迷いながら22時をまわり、ようやっと決心して、
電車に乗ったのが、22時35分。大和田駅からの代行バスは、混雑している、と事前にアナウンスされていたけれど、
確かに、USJの人気アトラクションほどに行列は長かったものの、
数分おきにバスが来て、ピストン輸送体制が確立されていたため、あれほど待たされることもなく、10分程度の
待ち時間でバスに乗ることができました。「情況の説明がない」、とか、「いったい、いつまで待たせるの?」
などと、怒った乗客数人が駅員に詰め寄る姿を、見ることはありませんでした。
渋滞が少しあったので、一時はどうなることか
と思ったのですが、普段なら電車で10分もかからない駅の間
を45分ほどもかけて、ようやっと香里園駅に到着しました。23時36分。この駅から、京都の出町柳の間が折り返し運転
しているので、とにかく一安心。樟葉駅の乗り継ぎで20〜30分ほど、待たされたものの、なんとか、
無事に帰りつきました。家にたどり着いたのが、深夜1時15分でした。
あまり、普段と変わらない帰宅時刻です。倍ほど疲れましたが。
中で、"Fumbling the Future"(Douglas K.Smith and Robert C. Alexander, toExcel, 1999) という本を読んでました。fumbleは、野球を好きな人なら知っている「ファンブル」つまりは「お手玉」です。副題が、"How Xerox Invented, Then Ignored, The First Personal Computer"となっていて、つまり、世界で最初のパソコンを開発
したゼロックスの話です。私も知らなかったのですが、マッキントッシュのようなGUI、マウス、ネットワーク
を備えた個人用のコンピュータAltoを、ゼロックスがIBMよりも、アップルよりも早く製品化したのです。
マッキントッシュのような、と書きましたが、むしろ、マックがAltoを真似たということです。
ゼロックスが開発を始めたときは、コンピュータは大型で高価なもので、一般の人が持つ
とは、とても想像できなかった時代です。計算が主な用途であり、ワードプロセッサ、表計算、宛名書きなど、個人
の事務用、という用途さえ、考えられなかった時代だったということです。
しかし、ゼロックスは、これらの用途も発明し、用途を実現するシステムも的確なものを発明し、
製品としての開発まで成功しながら、結局、パーソナルコンピュータの事業からは撤退したのです。
だから、現在、最初のパソコンのTVコマーシャルはゼロックスが放送したのだ、と言ってもマニア以外は誰も
知らないことになってしまったのです。
タイトルは「つかみ損ねた未来」とでも訳したらよいのでしょう。
基礎概念を「ダイナブック」として定義して論文にした、アラン・ケイ氏が、ゼロックスで
Altoを開発した中心人物です。
「ちえの和WEBページ:コンピュータ偉人伝」の「パソコンの基礎」の欄にプロフィールが紹介
されています。
そこにマウスの発明者として、ダグラス・エンゲルハート氏が紹介されています。
その中でエンゲルハート氏の言葉が、「思考のための道具」(ハワード・ラインゴールド)から引用されています。
興味深かったので、さらに孫引きします。
「複雑化した問題を扱う能力を改善できるのなら、人類に著しく貢献できるだろう。 それこそ自分の考えていたものではないか。そうして私はそれに手を着けたのだった」
エンゲルハート25歳の時の目標です。50年以上前のことです。
私たちも自分自身の目標を立てよう。会社に与えられた目標ではなくて、ね。そして未来をつかみましょう。
2003年8月20日付けの朝日新聞の夕刊によれば、男性は6月5日に免許をとったばかりで、今月8日に車を購入した
ばかりだった、ということです。時速90kmで踏み切りを通過している特急に横から突っ込んだということですが、
目撃者の話では、遮断機の前でいったん、停車はしていたらしく、「何らかの原因で進みだした」と警察では見ているらしい。上下2本の電車が現場に近づいていたらしく、対向の上り急行は、運転士が障害物検知装置が
作動していることに気がついて急ブレーキをかけたために、多重衝突を寸前に回避
できた、ということです。止まったときの特急との距離はわずか、数メートルだったということで、
改めて事故の恐怖を感じます。
時事通信によれば、計約31万人の足に影響がでた、ということで、私もそのうちの一人に勘定
されているはずなのですが、どうやって、31万人って算出するのでしょうか?京都市の人口が、だいたい、146万人
です。大阪市が260万人、枚方市が40万人、近畿圏で2300万人くらいらしい。近畿圏の世帯数で900万世帯くらいなので
、なんか、多すぎる気もします。京阪を利用している人が振り替え輸送で乗ったJR車両に
、乗り合わせた人のすべてが勘定されているのかもね。振り替え輸送で乗車した人の体重分だけ、余計に負荷が
かかった新快速に乗っていた、イコール、影響された、とか。隣で立っている人の新聞に載っている事故の
記事を覗き見するのに足の筋肉が普段より少し疲れた、イコール、影響された、とかいうのもの勘定すると、
関東一円の数十人の足にも影響が出たかもしれません。
それにしても、この一週間(2003年8月18日〜23日)は暑かった。
大文字の送り火(8月17日)が終わると、不思議と涼しくなるのがいつもの京都の夏なのですが、
今年は、それまで涼しかっただけに、強烈に暑かったです。
今回の体験で代行バスなるものに始めて乗ったのですが、印象は
冷房が効いていて意外と快適
でした。ただ、帰宅の顛末をメモしていた人は、私くらいでした。
4コママンガ<ハムとラン> とキャラのページ (c)Shimamura,T |
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