恥辱
連れて来られた美鈴はすでに泣き止んでおり、呆然とした表情を浮かべたまま、狼たちの輪の中に腰を据えさせられた。もう、美鈴は取り乱したり、羞恥に悶えることも無かった。ただ、一刻も早く解放され、自分の部屋に戻ることだけを考えていた。
「先生。楽しんだかい?何回、気をやったんだ」
一哉が乳房を揺らして尋ねると美鈴は硬化した頬をわなわな震わせた。
「もう、いいでしょう。満足でしょう。お願い、もう、返して」
美鈴が哀願の言葉を吐くと一哉はますます愉快になるようだ。ニヤリとした笑みを浮かべると美鈴の哀れっぽい裸体に好色そうな視線を這わす。
「何を言ってるの先生。俺たちは若いんだよ。一度や二度じゃ、満足しないよ。これから深夜まで先生を可愛がるんだぜ」
またもや要求を撥ね付けられた美鈴は下を向いた。これ以上の哀願は無駄だと判っていたからだ。しかし、美鈴はもう一つ別の要求を口にしなければならなかった。
「わ、判ったわ。あなたたちの満足するまで抱いて頂戴」
「いい覚悟だ。そうこなくちゃな」
一哉がその肩に手を掛けると美鈴はむずかるようにそれを振り払い、上目遣いの視線を投げるのだった。
「その前に少しの間、手を解いて」
「駄目だぜ。先生が抵抗するといけないからな」
一哉はにんまりとした表情で美鈴を見下ろしている。美鈴は遂に本音を洩らさねばならなかった。
「トイレに行く間だけよ。それ位、いいでしょう」
伏し目がちに整理の欲求を訴える美鈴を見て一哉の嗜虐心が頭をもたげ、どす黒い欲望が心の中で芽生え始める。
「おしっこがしたいのか?」
「そ、そうよ。いいでしょう」
美鈴が視線を外したままそれを訴えると一哉は顎に手を掛けその顔を覗き込んだ。
「この場でやって見せてくれよ。女がおしっこするところ見たこと無いからよ」
「ば、馬鹿なこと言わないで」
一哉の着想が余りにも卑劣なので美鈴は思わず刺々しい声を放った。しかし、一哉は本気だった。
「馬鹿なことじゃないぜ。先生は奴隷なんだぜ。そんなもの見せるのは当たり前じゃないか?」
「う、内村君!」
美鈴は一哉の暴走を止めるべく洋輔に助けを求めた。しかし、洋輔は薄笑いを浮かべたまま狼狽する美鈴を見つめるばかりだった。
「さあ、これにするんだよ。先生」
一哉は空になった寿司桶を美鈴のぴったりと揃えている膝の前に置いた。
狼たちの余りにも酷い仕打ちに心が震え、 美鈴はそれを見つめているうちに涙が流れてきた。目前で排泄行為を強要することなど人間のすることと美鈴は思えなかったのである。
「何、泣いてるんだ。先生は俺たちの奴隷なんだから、こんな事でメソメソしてちゃいけないんだよ」
「そうですよ。先生。僕たちは好奇心が旺盛なんです。先生のこと何でも知りたいんです。早く、やって見せて下さい」
一哉が乱暴に背中を小突けば薄笑いを浮かべた洋輔までそれに同調する。美鈴は堪えようにも下半身に疼痛を感じるほど尿意は差し迫っていた。踏ん切りを付けたように大きく息を吸い込んだ美鈴は涙に濡れた瞳を狼たちに向けた。
「判ったわ。見ていなさい」
美鈴は寿司桶の上に大きく足を開いて腰を落とすと怒りに燃えた瞳で一哉を睨み付ける。人間とは思えない狼たちの所業に美鈴の胸のうちは溶解したマグマのように憤怒が渦巻いていたのだ。
「やる気になったらしいな。せっかくだからじっくり見させて貰うぜ」
そなに言葉を吐いた一哉は寿司桶の前に胡坐を掻いて座ると美鈴の紅潮した顔と股間に貼り付く繊毛の辺りを交互に見比べ嫌らしい笑みを浮かべるのであった。
一度は覚悟した美鈴ではあったが卑劣な狼たちの前に羞恥図を露呈することに躊躇を覚え、踏ん張っている膝頭がブルブルと震え始める。憎みても余りある彼らの眼前にその様な姿を晒す悔しさはいったいす何に例えたらいいのだろう?美鈴は失神しそうになる自分を必死に叱咤するように歯をキリキリと噛み鳴らしている。
「いつまでもったいぶるんだよ。これからまた腰を振り合うんだ。早く済ませろよ」
気の短い一哉は一向に排泄しようとしない美鈴に業を煮やして髪の毛を引き掴むと乱暴に揺さぶり、脅しを掛けた。それまで神経を張り詰めていた美鈴の表情が気弱に変化し祈るような視線を一哉に向ける。
「もう、少し離れていて、そんなに近づくと・・・」
「引っかかっても構わないぜ。俺は女の身体を研究するのが趣味だからよ」
ゲラゲラと口を開けて笑った一哉は美鈴の開いてる太腿の間に頭を差し入れ、陰毛を引っ張り催促するのであった。
「先生。早くしないと一哉がもっと酷い事をしますよ」
洋輔に苦笑された美鈴は真っ赤に火照った頬を見せながら悲しそうに顔を歪めた。もう、狼たちの揶揄を受けるより彼らの望む姿を露呈し、この羞恥地獄を終わらせたいと思うようになったのだ。
「わっ、おっぱじめた」
不意に激しい水音が響き渡ると驚いたように一哉が後ろに退いた。股間から迸る水滴が寿司桶の中に水溜りを作り始めたのを確認した一哉はニンマリとした笑みを浮かべる。
「女のおしっこって男のより太いんだな。初めて知ったぜ。しかし、凄い勢いだぜ。よっぽど、我慢してたんだな」
一哉に揶揄されても美鈴は瞑目したまま放尿を続けている。しかし、男たちの眼前にそんな姿を露呈している悔しさからか美鈴の後ろ手に括られた手の指はせわしなく動き繰り返している。
「おい、写真を撮っておけよ」
一哉は乱暴に美鈴の髪の毛を掴み上を向かせると洋輔がすかさずデジカメを構えた。
「止めて!撮らないで」
惨めな姿を写真に撮られると感じた美鈴が泣き濡れた瞳を開いて訴えても洋輔は無情にもシャッター押す。羞恥の姿をカメラに収められた美鈴は遂に堪えていたものが溢れ出し、声をあげて泣き始めた。
「先生も器用だな。泣きながらおしっこするなんてよ」
美鈴の髪の毛を揺さぶって揶揄した一哉は嗜虐心を刺激されて快感を覚えるのであった。
やがて、美鈴の泣き声が細くなり、下半身から発生していた水音も止んだ。美鈴の恥辱の時間も終わったのである。
「もう、いいのか?先生」
一哉に肩を揺さぶられた美鈴は恥ずかしげに頷いた。
ようやっと腰を落とすことを許された美鈴はがっくりと首を垂れ、小さく身体を縮めている。狼たちの考えた恥辱の儀式は美鈴の心に大きなダメージを与えていた。
「それにしても随分出したな。溢れそうじゃねえか」
美鈴の排出した液体を並々と湛えた寿司桶を一哉が目前に突き付けると美鈴ははっと顔を逸らし、悔しげに唇を噛んだ。既に心までくたくたにされてしまった美鈴には反発を示す余裕も無かった。
「じゃあ、先生も落ち着いたでしょうからもう一度僕たちの相手をして貰いますよ」
美鈴の股間をティッシュで拭いながら洋輔がそんな事を言っても美鈴は涙も枯れ果てたような表情を浮かべ、床に視線を落としている。その肉体を狼たちの生贄に供している美鈴はその心までも支配されようとしていた。
朝の戦慄
夜中過ぎまで三人掛りで陵辱を受けた美鈴は一哉と裕司が帰ることによってようやっと休むことを許された。両腕の拘束は解かれたものの洋輔と手錠で繋がれたまま眠る事を強制され、熟睡できないまま美鈴は朝を迎えていた。
「先生。起きて下さい」
洋輔によって引き起こされた美鈴はフラフラとした足取りで納戸部屋から出た。
「トイレに行ってシャワーを浴びてください。一哉が着たらおしっこを見せろなんて言い出しかねませんからね。急いだほうが良いですよ」
「有り難う」
苦笑しながら手錠を外してバスタオルを渡してくれた洋輔に礼を言って美鈴はユニットバスに消えていった。
洋輔はソファに腰を落とすとタバコを一服つけた。少しは優しさも見せなければ美鈴が追い込まれてしまうと洋輔は思っている。辛くなって自殺などという結果を招いてしまうのを避けなければならないと洋輔は思っていた。
「おう」
洋輔と裕司が大きなバッグを抱えて姿を現した。二人は美鈴のマンションに寄って当面の着る物とか身の回りの品を取ってきたのだ。
「先生は?」
美鈴の姿が見えないのを不審に思い一哉が尋ねると洋輔はトイレの方を指差した。
「何だよ。また、見てやろうと思ったのによ」
一哉は残念そうに呟くと洋輔の隣に座ってタバコを吸い始める。美鈴の事を常に苛め続けていないと一哉は不満らしい様子だった。そんな態度を見せる一哉に対して洋輔は苦笑するしかなかった。
「持ってきてくれたか?」
「ああ、こんなものでいいのかな?」
一哉はポケットを探ってビニール製の紐を取り出して洋輔に渡した。洋輔はその紐を手に取ると伸縮を確かめ、満足そうに頷き、一哉に対して意味ありげな笑いを浮かべる。二人の小悪魔はまた美鈴の肉体を痛め付ける手立てを考えているようだ。
浴室からバスタオルを巻き付けた美鈴は一哉がいることに気が付くと表情を硬化させその場に立ち竦んだ。美鈴にとって一哉は蛇のような執念を持つ怖い男に思えていた。
「先生、ごきげんよう。俺の顔を見たからっていってそんなそんな顔をすることは無いじゃねえか」
薄笑いを浮かべた一哉が近づくと美鈴は身体を固くし、バスタオルを握る指先に一層力を込めた。
「バスタオルを取って元通り素っ裸になるんだ。先生の裸はいくら見ても飽きが来ないからな」
叩き付けられるように言われた美鈴は何も言い返さずバスタオルを静かに外すと元通りの全裸になり悲しげな表情を浮かべ一哉に視線向けた。
「そこに座りなよ。先生。朝飯の時間だ」
一哉がズボンのベルトを緩めるのを目にすると美鈴はぐっと熱いものが込みあがってきた。彼らは昨夜の宣告通りに朝の食事をさせようとしている。自らも肉を溶かされている時ならまだしも、興奮のかけらも無い朝の空気の中でのその行為は美鈴の屈辱感を一層、高めていた。しかし、美鈴は押し黙ったまま膝を折ると一哉の表情を伺うのだった。
「素直になったな。先生。俺もたくさん出して応えないとな・・・」
美鈴を虐げる悦びに肉の疼きを感じている一哉は気もそぞろになり、ズボンを下着とともに脱ぎ捨てると怒りを漲らせ始めたそれを揺らせながら美鈴の目の前に立った。
「先生もおしゃぶりのテクニックを磨いてくれよ。ただ、搾り取るだけじゃ芸が無いぜ」
空虚な瞳をしばたかせ目前に迫る凶器を見つめたままの美鈴に一哉はそんな事を言っては見物している洋輔たちに向かって笑みを浮かべるのであった。
「まずはそれをゆっくりとしごいてみな」
一哉に命令された美鈴は何も考えまいと必死に冷淡になる自分を装ったまま、それに指を絡めると静かに揺り動かし始めた。恋人とのセックスの前戯にそれを要求された美鈴は自分が惨めに思えてそれを拒否したことがあった。そんな事がチラリと脳裏を掠めた美鈴ではあったがその陰惨な行為を続けていた。
「よし、先っちょを舌で嘗め回してくれ」
美鈴は中身の無い人形のように一哉に言われたとおりに舌を這わした。一哉はその刺激に思わず身震いした。それは美人教師を虐げているという快感も呼応して一哉は興奮を昂めていた。
「よし、本格的に咥え込んでくれ」
一哉の要求に美鈴は完全にいきり立った凶器をすっぽりと口の中に含み、舌による刺激を開始した。嫌々ながらもそんな行為を続けているうちに美鈴の心にも闘志のようなものが芽生えてきた。憎い一哉を自分の舌技でキリキリ舞させてやるとばかりに美鈴は前後に頭を振りながらこのゲームに没頭してゆく。
捨て鉢になった美鈴のテクニックの前に一哉が敗れたのは間もなくだった。動きを止めた美鈴は一哉の排出物を舌の上に受け止め、目を閉じ微動だもしなくなった。それは自らの運命として受け止め、そのような行為を堂々と演じ切った美鈴が新たなるステージに進んだような錯覚を見る者に与えていた。
「ご苦労さま。満足したぜ」
一哉が笑みを浮かべて身を引くと美鈴は疲れきったようにがっくりと首を垂れた。しかし、彼らに言われている通り舌の上に貯めていた一哉の汚物は言いつけ通りに飲み干した。
「これから朝飯は毎日これだぜ。栄養はあるし、ダイエットにもなるから先生も嬉しいだろう」
洋輔と裕司に支えられて身を起こした美鈴の頬を撫でながら一哉はそんなことを嘯き、身繕いを始める。美鈴は呆然とした表情を浮かべ、遠くに視線を向けたまま押し黙っている。
そんな美鈴の頬に赤みが差し始めた。一哉がビニールの紐をその細い腰に巻きつけ始めたからだ。
「な、何をするの?」
再び、淫猥な空気が漂い始めたことに美鈴は引きつった声を上げ、両太腿を息苦しいほどびたっと閉じ合わせる。しかし、その膝頭は小刻みな痙攣を示し、美鈴が恐怖に苛まれ始めたことを如実に表していた。
一哉は美鈴の腰を二巻きすると余った紐をその股間に垂らし、形の良い足首を掴んだ。
「足を開きな。先生。素晴らしい気分にしてやるからよ」
両腕を掴まれ、恐怖に顔を顔を歪めている美鈴の顔を楽しそうに振り仰いだ一哉は卑猥な笑みを浮かべている。狼たちの考えがおぼろげながら判り始めた美鈴は嫌々と小さく首を振って消極的な哀願を繰り返すのだった。
「駄目ですよ。先生。僕たちの奴隷となるための修行だと思って下さい」
洋輔が熱く火照り始めた耳元に囁いても美鈴は頑なに拒否の姿勢を崩さなかった。しかし、一哉は美鈴が抵抗を示せば示すほどその悦びは加速されてゆく。一哉はいきなり美鈴の強張った頬を引っ叩いた。
「甘えるんじゃないぜ。もっと痛い目に遭わないと判らないのか」
一哉の恫喝に美鈴は刺々しい視線を放って対抗した。しかし、美鈴は浩という切り札が彼らの手にあることを忘れていたのだ。
「なんだその目は浩をもう一度連れてきてヤキを入れて見せようか」
浩の名前が出たとたん美鈴の表情は弱々しく変化してゆく。一哉は美鈴が動揺している隙にビニール紐を股間に通すと背後に回り、力一杯引き絞った。
「あっ、ううう」
美鈴の口から苦しげな声が洩れた。股間に食い込んだ紐が美肉を刺激しているのだ。
「どうだ良い気分だろう」
がっちりと腰に回した紐に引き絞った紐を結び止めた一哉は恥ずかしさに頬を紅潮させ啜り泣きを始めた美鈴の肩を突付いて笑うのであった。
「さあ、身支度をしましょう。先生。いくらなんでも裸で学校に行けとは僕らも言いませんよ」
「こ、こんな紐をしたまま学校へ行けというの?無理よ。無理だわ」
美鈴は首を振って訴えるが狼たちは一向に意に介さない。美鈴の部屋から持ち込んだパンティを履かせ、ブラウスを着せ、哀れな生贄を飾り立てて行く。
スカートを履かせた洋輔は美鈴を再び、洗面所に追い立てた。
「化粧をして下さい。あまり時間が有りません」
無造作に置かれた化粧道具を目にした美鈴は洋輔がそこから出てゆこうとするのを慌てて呼び止めた。
「お願い。この紐、外して頂戴。まともに歩けないわ」
「そうは行きません。先生が辛さの余り逃げ出すと行けませんから」
「ああ」
洋輔に拒否された美鈴は顔を覆って泣き始めた。洋輔はいくらなんでもこのままでは美鈴を一人にするわけには行かなかった。洋輔は美鈴の肩を優しく抱くとその耳元に口を寄せる。
「判りました。学校への行き帰りだけにしてあげます。それで我慢して下さい」
洋輔の譲歩で美鈴は幾分救われた気持ちになった。しかし、学校までの道のりを考えた時、それは途方も無い辛さに思えた。とにかく美鈴はそのままで学校へ行く決意を固めると涙を拭い、鏡の中の自分を見つめるのであった。