初めての屈辱
「これ、見なさいよ」
麻子によって手鏡がその箇所に宛てられると冴子はさっと顔を捻じ曲げた。さすがにそうなった自分の姿を見るのは辛いのだろう。順子に無理矢理、顔を向けさせられのを冴子は必死に抵抗している。
「あら、随分と嫌がるのね。あなただって銀妖会の会長をしていくつもの組織を潰してきたんでしょう。それくらいの事に怖気ずくのね」
麻子の馬鹿にしたような声が冴子の心に残っていた反発心を呼び起こしたのか、冴子は射るような視線を手鏡に向け、無残に陰りを失ったその部分を見つめるのだ。
「随分と若返ったじゃない・・・。感謝して欲しいくらいよね」
「そうそう、昨日、散々な目に遭わされた女を親切にしてやってるんだよ」
麻子と順子はからかいの言葉を掛け続けるが冴子は一向に崩れる気配を見せないのだ。今まで、何にもの女たちをこの方法でいたぶてきた二人はいささか拍子抜けを感じていた。
「おい、このフィルムを下に来てる撮影隊に渡して大急ぎで現像してくれるよう頼んでくれ」
麻子と順子はフィルムを届ける口実で部屋を抜け出し、作戦会議を持つ事にした。
「いい加減、呆れるわね。度胸が良いのか?何も感じないのか?判らないくらいよ」
「まだ、序の口よ。これから色んな事、するんでしょう?」
「それはそうだけどね・・・」
順子の言葉に麻子は言いよどんだ。とにかく、今までの女たちとは役者が違うのを二人とも感じずにはいられないのだ。
撮影隊にフィルムを渡して戻ろうとすると千代が前から歩いてきた。
「あら、例の新入りさん。様子はどうだい?」
「中々骨があるみたいでちよっとそっとじゃ動じないの。下の毛を剃ったところよ」
「じゃあ、私の出番だね。道具立てをしっかりとて調べさせて貰わないとね」
三人は談笑を交わしながら和室に入った。和室では相変わらず一糸纏わぬ素っ裸の冴子が吊られている。
「紹介しとくよ。この人が女奴隷の調教師。千代さんだよ」
冴子は千代の顔を見たとたん背筋に寒気が走った。女に身体を触られることが何より嫌いな冴子は千代のこの世界で永年暮らしている匂いを感じ取って嫌悪感を覚えているのだ。
「ふふふ、嫌われたみたいだね」
冴子の反応を見逃さず千代はニンマリとした笑みを浮かべる。
「お、女に身体を触られると鳥肌が立つんだよ」
声を上ずらせ発した冴子の慌てぶりに千代は苦笑する。しかし、その視線は逃げも隠れも出来ぬ冴子の剃毛を施された全裸像を嘗めるように這いずり廻るのだった。
「あんた。私好みの身体をしてるよ。おっぱいもお尻もこぶりだけど引き締まってる。女としては理想的な体形だよ。私が腕によりを掛けて良い女に仕上げてやるよ」
「止めとくれよ。女に肌を任す趣味なんかないんだよ」
「そうはいかないよ。ここの家じゃ千代さんの言葉は絶対なんだよ。そんな我侭は許さないよ」
吐き捨てるように言った冴子の髪の毛を掴み麻子は脅すような口調で切り替えした。
「それじゃ、おねんねして貰おうか」
大槻の手によって鎖から切り離された冴子は狂ったように暴れ、出口に突進する。しかし、そこに待ち構えていた鬼面山に抱きかかえられ、部屋の中央に引き戻され、仰向けに倒される。
「逃げようたって無理よ」
麻子は逃げようともがいている冴子の頭に足を乗せ、ゴシゴシと揺さぶった。昨晩、泥靴で自分の顔を踏み付けた冴子に対する恨みを少しは晴らした気になっている。
「き、汚い・・・何、すんのさ」
冴子は鬼面山に押さえ込まれながら頭を跳ね回し、麻子の足を振り払った。
「あっ、嫌、やだ」
大槻が両足を開かせようと片足首を掴むと冴子は反対側の足を飛ばし、大槻を弾き飛ばす。正に死に物狂いの冴子の抵抗だった。
「おとなしくしなよ」
腰を屈めた麻子に頬を抓まれると冴子は物凄い形相になり睨み返す。しかし、今度は用心した大槻と千代によって二肢を掴まれ、大きく割り裂かれて行くと冴子は悲痛な叫びをあげる。
「何を慌ててるんだい。足を開いたくらいでさ」
麻子と順子はクスクスと笑いながら冴子の揺れる頭を小突き回す。大槻に鬼面山も加勢して冴子を開股縛りに仕立て上げると一堂、ほっと息を付き、その優美な裸体を眺めて笑みを洩らすのだ。生竹を割ったように左右に引き裂かれた二肢。その白い内腿には血管が薄く浮かび上がり、見るものには犯しがたい美術品のような印象を与えるのだ。
真っ赤な顔をし、奪われた二肢をなんとか取り戻そうと無駄な足掻きを繰り返す冴子の股間を目にした麻子はぷうと吹きだし、手で口を抑える。
「そんなに暴れちゃだめじゅない。下の口が大きく開いて中身が丸見えよ」
麻子に笑われた冴子は動きを止めると悔しげに顔を横に伏せ、唇を噛み締める。憎い敵方の中であられもない姿を晒し、麻子のような小娘の嘲笑を浴びるのは冴子に取っては胸が張り裂けんばかりの屈辱であった。
肉の崩壊
生まれたままの素っ裸を人の字型に縛り上げられ、悪党たちの攻撃を待つばかりにされている冴子。淫虐の館に取り込まれた女たちが一番初めに遭う屈辱に今、正に冴子もそれに晒されようとしていた。
「さて、始めようかね」
ズベ公たちに目で合図を送った千代があけすけに広げられた冴子の足の間に腰を落とすと冴子は狂ったように頭を振った。
「さ、触るんじゃないよ。そんな、薄汚い手で触れたら承知しないよ!」
「あら、随分と嫌われたもんだね。でもね、女でしかわからない味があるのさ。つべこべいわずに、私に身を任せばいいのさ」
ブルッと冴子の太腿が大きく揺れた。千代が手が淫靡にその肌を擦り始めたからだ。
「ふふふ、こうなったら、楽しまなくちゃ損だよ。いくら気やったって構わないんだよ」
麻子は慌てふためく冴子の表情を楽しげに見ながら順子とともに可憐な乳房に手を触れさせる。
「止めるんだ!お前たちみたいな薄汚い手で触れるほどあたいの身体はお安くないんだよ」
目を吊り上げて怒鳴り声を上げる冴子に対して麻子も順子も何の言葉も返さない。その代わり、乳房を揉む手に力を込め、冴子の情感を昂ぶらせようとしている。
千代の下半身に対する攻撃も熱を帯びてくる。鬼面山に手伝わせ、冴子の腰の下に枕を挟みこみ女の丘を高々と晒し、その中心点への攻撃を開始する。
「うぐ・・・や、止めとくれよ。。。」
冴子の拒絶の姿勢が明らかに弱々しくなっている。千代たちの入念な愛撫に身体の芯が否応なしに反応している証であった。
「ふふふ、綺麗な色をしてるじゃないか。まだ、そんなには使ってないみたいだね・・・」
襞を大胆に寛げられ、内部を探られ始めると冴子は悲痛な声を上げ、上半身を揺さぶるのだった。
冴子の性体験は過去に一度、それも強姦で味合わされるという異常なものだった。女同士の縄張り争いに愚連隊が乱入、敗れた冴子たちはその男たちに犯されたのだ。当然、神代は激怒し、その男たちを捕まえ、小指を切り落として解放したのである。だから、冴子は性に対する恐れを抱き、その快感さえ知覚していなかったのである。
千代の女責めは佳境に入り、指を二本から三本に代え、冴子の内部を熱く掻き立てる。遂に冴子も抗しきれず、熱い吐息を織り交ぜながら、情感に揺さぶられ始める。
「ふふふ、女嫌いだったんだろう・・・こんなに溢れさせてさ・・・。あんたの身体を男なしでは過ごせなくなるように変えてやるよ」
激しい躍動を始めた冴子の白い下腹を見つめ独り言のように呟いた千代は恥ずかしい突起を見せる陰核を抓むとじわじわと刺激を与える。突然、冴子は大きく項を見せ、噛み締める唇の隙間から熱い息を吐き出した。
「この女はおさねも結構、感じるようだよ。面白いじゃないか」
片頬を歪めた千代は再び白い肉体に挑みかかって行く。
乳房を揉み上げ、時にはその先端を口に含む愛撫を続けている麻子と順子に取っても冴子の変貌振りは驚きに値するものだった。先ほどまでの刺々しさはすっかり影を潜めた冴子は込みあがってくる快感を何とか遠のけようと必死になっているのだ。
「ふふふ、すっかり女っぽくなってるわね。今まで散々、修羅場を楽しんできたんだからこれからは女を楽しめばいいのさ」
「そうそう、争って勝っても何の面白味もないじゃないか。それより、好きなだけ気をやって楽しんじまいな」
ズベ公二人が嘲りの言葉を投げ掛けても冴子は何の反応も示さない。込みあがってくる情感は隠しようも無く冴子の全身を駆け巡ってるのだ。
「ねえ、鬼面山さん」
麻子は片隅に座り手持ちぶたさに自分の一物をしごいている鬼面山に声を掛ける。
「ここ、代わってくんない。鬼面山さんの強い力で揉んで貰えばこの女ももっと感じると思うから」
薄笑いを浮かべた鬼面山にその場を譲ると麻子は千代の傍らに腰を落とし、落下無残の攻撃を受け続ける冴子のその部分を覗き込みクスクスと笑うのだった。
「丁度いいや、麻子。ここを抓んでいておやり」
千代に言われた麻子は意地悪そうな光を目に浮かべ、陰核の皮を剥き、その先端を抓みあげる。
「い、嫌。そ、そんな・・・しないで・・・」
冴子は気弱な声で訴えるのであるが暗い悦びに身を震わせている麻子にそんな言葉は通じる筈も無い。シクシクと啜り上げ、顔を横に伏せる冴子を目にして麻子は不明瞭な勝利感に浸っていた。顔まで踏み付けられ、女王然としてして冴子のそれを抓み上げすすり泣く姿を目にし、麻子は声を上げて笑いたい衝動を必死に抑えているのだ。
「さあ、これで留めを差してやるよ。たっぷりと楽しむんだよ」
千代は袂から取り出した張型を手にするとゆっくりと押し進めて行く。
「まあ、凄い・・・」
冴子のその部分が大きく口を開くようにしてそれを貪欲に飲み込むと麻子はわざと驚きの声を上げる。
千代は責めに調子を付けるようにして自由自在に冴子の肉体を操り始める。それは冴子に取って生まれて始めて味合う女の悦びだったに違いない。しかし、それが素っ裸を拘束され鬼女の操る責具によって味合わされている事に冴子は途方も無い悲しみを覚えるのであったがいかに耐えようともその瞬間は確実に近付いているのだ。
「ああ、ま、待って・・・」
打って変わって女っぽい悲鳴を上げる冴子に順子は吹き出した。
「何を慌ててるのさ。これから気持ち良くなるんだよ」
順子が乳房を揺すって笑い声を上げても冴子の心からの叫びは止められなかった。
「も、もう、止めて、これ以上続けられると・・・」
「あら、気をやるのが怖いの?皆、そのために頑張ってるんじゃないか馬鹿な事言わないでおくれよ」
陰核を抓んだままの麻子もそれを揺すって笑い転げている。冴子はこの場に居並ぶ悪党に何を言っても無駄だと感じたのかがっくりと顔を横に伏せ、瞳を閉ざした。
「ふふふ、そんな事にいちいち気を使っちゃいけないよ。思い切り食い締めて、気をおやり。女っぽい女に生まれ変わる一歩なんだからね」
あやすように冴子に言い聞かした千代は張型を持つ手に力を込め、激しく抜き差しする。鬼面山と順子に乳房を揉まれ、麻子に陰核を抓まれると言う屈辱を受けながら冴子は込みあがってきた情感を抑えきれずに頂点を極めてしまう。その瞬間、背中に冷たい物が走った冴子は上半身を大きく弓反らせ、全身鋼のように緊張させたのである。
「ふふふ、往っちまったようだよ」
千代が言うと悪党たちは愛撫を止め、目を閉ざしたまま快感を噛み締めてる冴子の顔を覗き込むのであった。音に聞こえたズベ公たちの頂点に君臨していた冴子も一皮剥けば自分と同じ女なのじゃないかという思いを持って順子はその痙攣を続ける裸体に視線を注ぐのであった。
冴子の筋肉が弛緩し、ぐったりと身を落とすと千代は責具を引き抜いた。それにへばりつく泡だった冴子の愛液を確認し、千代は満足の笑みを洩らすのだった。
鬼女とズベ公たちの手によって女の生理を引き出され、悔しい快感を味合わされた冴子はこの屋敷に巣食う悪党ども恐ろしさを身を持って体感した事になった。果たしてこのような責めにいつまで自分が耐えられるであろうかと冴子は朦朧とした意識の中で思うのであった。
「さあ、目を開きなよ。随分と悦んだみたいじゃないか?ちよっとやそっとじゃ始末できないよ」
麻子に耳を引っ張られ冴子は目を開いた。自分を覗き込む麻子と順子の顔を目にすると冴子は改めてこの場で晒した屈辱を思い知らされ、大粒の涙を流すのであった。しかし、そんな悲しみにくれる冴子の姿にもズベ公たちは嘲笑を与え続ける。
「とうとう、涙を流したよ。ざまあ、ないわ」
「鬼の目にも涙というのは正にこの事ね」
順子と麻子は次に落城した冴子の下半身を覗き込み、笑い声を洩らすのだった。
「まあ、ここも随分と凶悪そうな顔をしてるじゃない。指なんか入れたら噛み千切られそうよ」
麻子はふざけた調子でそんな事を言うと指先をその内部に思い切り押し込み、冴子の悔しそうな顔を盗み見て溜飲を下げるのだった。この女だけは許す事は出来ない。そんな思いを再び感じた麻子は更に深く指先を沈め、冴子の屈辱感を煽るのであった。