鎖の拷問
昨夜は栗田に良いように扱われ、朝になり牢に戻された真由子は昼近くになってようやっと目覚めることができた。既に志津江の姿はなく、冷え切った朝食があるのを目にして、今日は悪党たちがいつもと違う行動をしていると真由子は感じていた。
千代がここに現れてからというもの昼夜を違わず責め続けられている真由子は幾分、落ち着いた気分になり、朝食に手を伸ばした。あくどい責めを受け続け、心も身体も作り変えられてしまうと思いながら食欲だけは相変わらずある自分を真由子は恨めしかった。
朝食を終えると真由子は再び横になり、布団を被った。一人にされている時に思い出すのは崎山のことだった。いつか助け出される日が来ると信じている真由子は崎山の胸に飛び込み泣きじゃくりたいと思っていた。全ての財産も信用も失ってしまった真由子に残された最後の心の拠り所だったのだ。
願いも虚しく、千代と朱美、そして、栗田が姿を現すと真由子は表情を硬くした。彼らはやはり真由子の事を忘れてなかったのだ。
「もう、十分、休んだでしょう。出ていらっしゃい」
ニンマリとした笑みを浮かべた朱美が檻を開くと真由子は胸を隠して、這い出してくる。
麻縄を手にした栗田が背後に廻ると真由子はおとなしく両手に背中を廻す。まだ、ぎこちない手つきで栗田が腕を縛り始めと朱美があれこれ指示して真由子を拘束してゆく。
「さあ、立ちなさい」
朱美に促され、真由子がすっくと優美な裸身を立たせると栗田は鼻の下を伸ばし、昨夜の情事を思い出すのであった。吸い付くような肌の感触、決して心を開かなかった筈なのに自分の攻撃を受け、陥落して行く刹那の表情。全てが栗田に取っては夢のような時間だった。ここ数年、妻と接してもせいぜい一度しか放たなかった矢を三度も放ってしまった栗田は満足この上ない一夜を過ごした事になる。
「さてと、始めようかね・・・」
千代が正面から近付いて来ると真由子は慌て気味に視線逸らした。この鬼女の手管で何度も苦しめられたことから真由子は一種の恐怖を覚えている。
「今日はね色々と忙しくって、あなたの稽古を付ける事が出来ないのさ。だけどただ遊ばしておくほど私は甘くないよ。これを使って身体を鍛えて貰う」
千代は袂から銀で出来た鎖を真由子に見せ付けるのであった。
「何だか判らないだろう?聞けばあんた、おさねが余り敏感じゃないみたいじゃないか。そりゃ、女として恥ずかしい事だよ。だからね。私があんたの身体を作り変えてあげるんだよ」
何か得たいの知れない恐怖を感じて真由子は表情を硬くした。千代の手にする鎖がとてもおぞましい物に真由子には思われてきた。
朱美によって腰に細い紐を巻き付けられた真由子の前に身を屈めた千代は鎖の端をその紐に結びつけ、真由子の正面に垂らす。鎖の中程には小さな輪が取り付けられている。それが自分のある箇所を狙っている事に気が付き、真由子は驚きの表情を浮かべ、ぴったりと太腿を密着させる。
「何してるのよ。足を開くのよ」
朱美に太腿を叩かれても真由子は頑なな態度を崩さなかった。しかし、栗田がこじ開けるように足首を掴むとその力に抗する事は出来ず、足は開かされてしまう。
「ふふふ、そんなに嫌がる事はないよ。これを取り付けられちまえばね、女はとてもおとなしくなるもんだ。男勝りのあんたにはぴったりだと思うよ」
「も、もう、暴れたりしません。で、ですからそんな酷い事はしないで・・・」
涙を浮かべての真由子の哀願は悪党たちに通じる筈も無く、千代は真由子の股間を弄り、標的を探り当てるとニンマリとした笑みを浮かべるのだった。
「や、止めて・・・」
腰を跳ねまわして何とか魔の指先から逃れようともがく真由子の双臀を朱美ががっちりと押さえ込むと千代は抓み上げたそれを銀の輪に通した。
千代が鎖の先端を股間に通すと待ち受けていた朱美がそれを受け取り引き絞る。
「ああ、何てことするの・・・」
腰に廻した紐に鎖を結びつけると真由子の陰核はおぞましい輪に根元まで締め付けられる事になる。
綺麗に剃り上げられた真由子の股間を真一文字に割って食い込む鎖。そこから生じる耐え様の無い感覚にブルッと双臀を震わせる真由子。悪党たちの淫虐の所業に泣き叫びたくなる真由子であった。
顔を真っ赤にして頬をブルブルと震わせる真由子の姿に満足を覚えた千代はその乳首を抓み、口を開いた。
「それはあんたを男なしでは居られなくさせる魔法の鎖なのさ。それに、取り付けているうちに何とも言えない色気が滲み出てくるんだ。まあ、修業だと思って我慢するんだね」
「ま、待って・・・」
悪魔たちが立ち去ろうとするのを真由子は必死に呼び止めた。このまま放って置かれたら気が狂ってしまうかもしれないと思うと真由子も必死だった。
「お、お願いです。外して、外して下さい。我慢できません・・・」
涙を流して訴える真由子を見て朱美は舌を出して千代と顔を見合すのだった。真由子の反発心を打ち砕くには持ってこいの効果を発揮しているからだ。
「駄目だよ。私はこれから栗田さんの運転で横浜へ行って買い物をしてくるんだ。帰ってくるまで我慢するんだよ」
「あら、あれを買ってくるのね・・・」
朱美は意味ありげな笑いを浮かべ苦悶する真由子を一瞥すると皆を促し地下室を出て行った。残された真由子は悲しげなすすり泣きの声を洩らしている。身体の中心を締め上げる鎖によって絶え間なく襲ってくる感覚に真由子は身を焼いていたのだ。
悪女たちの悪戯
千代と船橋が買い物をするために栗田の運転する車で別荘を後にした頃、庭では崎山と志津江の撮影が再開されていた。
崎山が拘束を解かれ千代に圧し掛かり、盛んに腰を動かしている。それをカメラが嘗めるように追い続けている。
「止めて、止めてよ・・・」
心の箍が外れてしまったような崎山の振る舞いに後手に縛り上げられている志津江は何とか逃れようと身体を跳ねまわす。
「おとなしくしないか」
腹を立てた崎山に頬を打たれた志津江が無抵抗になると崎山は片足を方に抱え上げ、激しい律動を再開する。それは本当に男が女を犯している様な印象を見るものに与えるのだった。
崎山が果てると同時に監督である大槻からカットの声が飛んだ。
すぐさま、麻子と順子が毛布を崎山に羽織らせると後始末を行うのだった。
まるで戦ってきたボクサーのように荒い息を吐く崎山に水を飲ませた麻子はいとおしそうに髭の生えた顔に頬ずりする。
「素晴らしいわ。まるで本当の強姦みたいよ」
麻子が崎山の世話を焼けば志津江には大槻が近付いた。
「次の撮影が最後だ。頑張ってくれるな?」
苦しげな息を吐く、志津江に大槻が話し掛けると志津江はこっくりと頷いた。
「次は木の幹に縛り付けられた奴をお前が口で往かせるんだ。しっかりと頼むぞ」
軽く肩を叩いた大槻を志津江は悲しげな瞳で見送った。暖かな日差しが降り注ぐ庭ではあったが志津江の心は凍えていた。志津江を人間性さえ否定する悪魔たちの所業。いつまで正常な神経を保っていられるであろうか?志津江はそんな事さえ思うようになっていた。
「ねえねえ」
家の掃除を終えた朱美が庭に姿を現し、麻子と順子を呼び寄せた。
「真由子が愉快な事になっているわよ。ちよっと覗いて見ない?」
「何をされてるの?」
興味を覚えた麻子に朱美が耳打ちすると麻子は笑いながらそれを順子に伝えるのであった。
「行ってみよう」
三人はすぐさま意気投合すると大槻のそばに寄り、ここを離れる許可を得るのだった。
「後は俺一人で出来る。三十分程度ならいいぞ」
三人は楽しそうに小走りになり、屋敷の中に消えた。行き先はもちろん、地下室に決まっていた。
地下室ではたった一人捨て置かれてる真由子の啜り泣きが響いていた。既に全身汗に塗れ、ピッタリと閉ざした太腿は時折、痙攣に震えている。やるせない感覚が絶え間なく襲ってくる真由子は身の置き所を見失ったように足を震わせているのだ。
足音が響き、三人のズベ公の姿を目にした真由子は絶壁に立たされたように恐怖に竦んだ。自分を目の仇のように扱う三人がこのような状態に置かれた自分をどう扱うか察しが付いたからだ。
「こ、こないで、お願いだからこないで」
悲痛な叫びを聞いて麻子と順子の残虐性は却って火が付いたように薄笑いを浮かべて近付いてくる。
「あら、随分と良い姿にして貰ったじゃない。こんなに汁を流してるじゃない」
真由子の内腿にへばりつく粘っこい液体を目にして麻子は笑うと順子は腰を屈めて抉り出された陰核に目を注ぐ。
「それにしてもみっともない姿ね。見てるこっちの方が恥ずかしくなっちゃうわ」
順子はそんな事を言いながらも赤く充血した先端を突付いて真由子に悲鳴を上げさせ笑い声を上げるのであった。
「写真を撮っておくわ。きっと評判になるから」
朱美が片隅にあったカメラを取り出しライトをセッティングすると真由子の濡れた裸体に眩しい光が当てられた。
「まずはここのアップからね・・・」
朱美がカメラを近づけると真由子は自分の余りにも惨め姿を意識して悲痛な声を上げる。
「や、止めて。こんな姿撮らないで・・・」
「何を言ってるのよ。あなたは恥ずかしい姿を見せなきゃ、意味無いのよ」
真由子の願いをあっさりと無視した朱美はその部分に焦点を合わせシヤッターを押した。
「次は全身ね」
朱美は三脚を後ろに下げ、ピントを合わせる。
「何してるのよ。可愛いお顔が映らないじゃない」
麻子が邪険に髪の毛を引っ張り、うな垂れている真由子の顔を上げさせると朱美は再びシヤッターを切った。
「ああ、もういいでしょう。外して、外してよ・・・」
切羽詰ったような声で訴える真由子に失笑した順子はその濡れた肩に手を掛けタバコに火を付ける。
「何を慌ててるのよ。もっとゆっくり楽しみ合いましょうよ。あなただって満更悪い気分でもないでしょう?」
順子はわざとゆっくりとした口調で喋り、真由子の顔に煙を吹きかけ、意地悪い顔を見せるのであった。
「そうよ。あなたも寛いだ気分になってもっと落ち着きなさいよ」
麻子も首に手を廻し屈辱に震える乳首を抓み、ニンマリとした笑みを浮かべる。二人の女に絡みつかれ、真由子は今にも叫び出したい衝動を堪えるのに精一杯だった。下半身から込み上がってくる感覚に悪女たちに愛撫が加わり、真由子は今にも腰を振り回してしまいそうなのだ。
「ねえ、この状態で挟み込んでやろうか?面白いわよ・・・」
麻子がポケットから取り出した洗濯バサミを取り出して歯を出して見せると朱美と順子は笑い声を上げた。真由子はそれを目にして頬を蒼ざめさせる。そんなことをされたらどうなってしまうのか?自分でも予測がつかないのだ。
「それじゃ、挟むわよ」
「や、止めて・・」
目の前に突き付けられた洗濯バサミを目にして真由子は表情は恐怖に歪んだ。
「ふふふ、面白いわよ」
「あっ」
麻子が挟み付けたのは真由子の可憐な乳首だった。それでも真由子は痛みから上半身を揺さぶり、却ってそれが甘い痺れを呼んでしまう。
「こっちも挟んで上げるね」
順子に反対側の乳首を挟まれ、真由子の身震いは一層大きくなった。ズベ公たちは正面に廻ってそれを見物して笑い声を上げている。追い詰められている真由子は屈辱感を感じるゆとりも無い。何とか洗濯バサミを跳ね飛ばそうと身を揺するのだった。
しかし、それが無駄と判ると真由子は動きを止め、シクシクと啜り上げる。
頃は良しと薄笑いを浮かべた朱美は腰を上げると三本目の洗濯バサミを真由子に見せ付けるのだ。
「さあ、仕上げをしないとね。この前は気を失っちゃったのよね・・・」
「嫌、そんなことしないで・・・」
涙を流して哀願する真由子の声を心地よく聞きながら朱美は洗濯バサミをゆっくりとその箇所に近づけて行く。
「どんなことになるのかしら。楽しみよね・・・」
「ああ、何でも言う事を聞きます。だから、そんな恐ろしい事はしないで・・・」
「馬鹿ね。そんな事はあたりまえじゃない。私はねさうなった真由子の姿を見たいのよ」
朱美の言葉に呼応するように麻子と順子も真由子を取り囲み、言葉で嬲り始める。ズベ公たちは哀れな真由子を鼠をいたぶる猫のように痛めつけては楽しんでいるのだ。この悪魔にも似た少女の残忍さ真由子は言葉だけでも反撃したかった。しかし、その反発を考えると恐ろしくて口に出す事は出来ない。ズベ公たちは無抵抗の真由子をいい様に扱っているのだ。
「挟んじゃうわよ・・・」
朱美が更にそれを近づけると真由子は激しく腰を引いた。しかし、それは真由子に新たなる衝撃を受ける事になる。窮地に追い込まれ真由子は涙を流し続ける事しかできないのだ。
「ふふふ、逃げても無駄という事が判ったみたいね。覚悟しないね」
「お願いだから・・・止めて・・・」
身も心もくたくたにされている真由子は蚊の鳴く様な声で訴える事しか出来ない。しかし、朱美は残虐性を発揮して真由子の抉り出された陰核を挟みつけたのだ。
怪鳥のような声を上げ、腰を振り回す真由子を見てズベ公たちはキヤッキヤッと笑い声を上げている。千代の考え出した鎖責めに乗じたズベ公たちのおぞましい所業に真由子は涙を弾き飛ばしながら苦悶している。このまま、この場から消え去りたいのが真由子の現実だった。