栗山の浮気
その夜、夕食の席に栗山と唯は同席していた。事前にシャワーを浴び、可愛らしい赤のプリーツスカートにピンクのブラウスを身に着けさせられた唯はこれから栗山と肉体関係を結ぶ事を予感していた。
しかし、久々にまともな食事を目の前にその食欲は旺盛を極めていた。
「凄く食べるんだね。アイドルがそんなに食べたら太るだろう」
「いつもはこんなに食べたら怒られるけど、もうう、アイドルじゃないから」
栗山にからかわれた唯は悲しそうな笑顔を浮かべて料理を口に運んでいた。もう、アイドルじゃないと言い切った自分に一抹の寂しさを感じたのだろう。それを吹っ切るように唯は出された料理を綺麗に平らげた。
栗山が唯を促して立ち上がると別のテーブルに居た三枝と忍がサインを送ってきた。
栗山がそれに応えて手を振ると二人は苦笑いを浮かべてグラスを差し上げるのだった。
食堂を抜けるとそこはパーティールームだった。ステージの上に鎖に繋がれた全裸の真琴ががっくりと首を垂れてむざんな晒し物にされているのを目にした唯は立ち止まると栗山に視線を向けた。
「少し、真琴ちゃんとお話してもいい?」
「ああ、いいよ」
栗山が頷くと唯は真琴の傍らに駆け寄った。明日の宴席のリハーサルを夕食後も続けさせられる真琴は縛り上げれたまま休息を取らされているのだ。
「真琴ちゃん」
声を掛けられた真琴は俯いた視線を一瞬、唯に向けたが唯が洋服を身に着けているのを目にし堪らない寂しさを感じたのだろうかすぐに視線を床に落した。
「ごめんね。真琴ちゃん。私が口を滑らしたばかりにこんな目に遭わせちゃって」
唯は涙を流して真琴に詫びを入れたが真琴は弱々しく首を振るだけであった。
「何が遭っても頑張って。いつか、助け出される日が来るんだから」
唯は真琴を勇気付ける積りでそんな言葉を口にしたが妹まで捕われ、絶望の淵まで追い詰められている真琴はそうは取らなかった。
「お願い。早く、行って。唯ちゃんに惨めな姿を見られたくない」
振り絞るように言った真琴は顔を横に向けて啜り上げ始める。どんなに辛いことかあっても真琴の泣き言など聞いた事が無かった唯はすすり泣く唯を見て何も掛ける事が見つからなかった。
栗山に促されて唯はパーティールームを後にした。
部屋に入った唯はベッドに座るとがっくりと首を垂れて何かを考え込んでいる。栗山は唯に真琴と話させたことを後悔した。真琴の惨めな姿によほどショックを受けたのだろう唯は床に目を落したまま塞ぎこんだままだ。
「ねえ、唯ちゃん。少し、話をしないか?」
涙を浮かべた瞳を開いて栗山を見上げた唯は表情を変えなかった。
「何を話すことがあるというの?私を抱きたければ抱けばいいわ。拒否してもお仕置きされるだけなんだから」
食事をしていた時とは打ってよそよよそしい態度で栗山に接していた。このままセックスしても面白くない栗山はビデオを見せることにした。
「これを見てご覧。君の事を報道してるよ」
それは今日の昼間、ワイドショーで唯の失踪を報じていたものだった。唯が少しでも気分を変えてくれたらと願った窮余の一策だった。
「先日、突如、行方を絶った人気アイドルの椎名唯さんの動向は依然、不明のままです。所属事務所の前には今日も大勢の報道陣が詰め掛けております」
画面には事務所のあるビルの前に群がる報道陣の姿を映し出していた。事務所関係者やタレントが前を通るたびにマイクが向けられる旧態前の映像が流れていた。
皆、一様に硬い表情で報道陣を振り切るようにコメントを残さない。そんな中、同じ事務所の御大的存在の女性タレント、淵田真由美がインタビューに応えていた。
「唯ちゃんね。私も心配です。いつも明るくて、礼儀正しく、接していました。もし、失踪してるならとにかく話をするために連絡して欲しいですね」
女性タレントは当たり障りの無いコメントを残すとビルの中へ消えた。
「真由美さん・・・」
テレビの画面を食い入るように見つめていた唯の頬を涙が伝わった。偉大な先輩の真由美とはろくに話をしたことも無かったが色々と世話を焼いてくれたのは事実だった。そんな先輩のコメントに唯はその時の事を思い出していたのだ。
画面にマネージャーの広田が沈痛な面持ちで映し出されると唯の表情は懐かしさに歪んでくる。広田は一日一回、経過報告として報道陣の質問に答えているのだ。
「何か進展はありましたか?」
「ありません。警察とも連絡を取り合って賢明に捜索しているのですが何も有りません」
「誘拐か失踪かという判断は?」
「既報の通りです。唯はこっちの用意した車に乗らず、別の車に乗って、現場を立ち去っています。唯があらかじめ用意した車なのか、騙されたのか判りません。身代金の要求等の連絡も有りません。現時点では判断できません」
「DAIさんとの疑いは晴れたのですか?」
「彼と今回の事件との関連は無い事が証明されました」
広田は矢継ぎ早の質問に答えると新たな質問を制してマイクの前で今一度口を開いた。
「定例インタビューは今日で終わりにします。何か進展があった場合にはご連絡いたします。私もあれ以来、殆ど寝てないので三日間ほど休暇を取ります」
広田は疲れ切った顔でそう言うと追いすがる報道陣を無視してビルの中に消えた。
「広田さん。可哀想・・・」
唯がポツリと洩らした。この広田こそが唯の誘拐を画策した張本人なのだ。明日、ここに現れたら唯はどんな顔をするだろうか?栗山は心の中で舌を出して笑うのだった。
「お風呂に入ろうか?」
「シャワー、浴びてきたけど・・・」
栗山の申し出を唯はやんわりと否定した。彼女にとって男と一緒に過ごす時間はとても苦痛だった。早く事を済ませて地下室に戻りたいとさえ思っている唯だった。
「地下室が好きなのかい?ここなら他の奴隷の目を気にしないでゆっくりと眠れるよ」
「それはそうだけど・・・」
唯は言いよどんで目を伏せた。奴隷となって日の浅い唯は男と過ごした方が楽な暮らしが出来ることが判っていないのだ。
「君は奴隷になったんだよ。地下室にいるより、男と一緒に入る方が楽しいと思うようになった方が楽だと思うよ」
諭すように言われると唯は素直に立ち上がった。だんだんと自分のペースになってきたと思う栗山は得意げな顔で唯を風呂場に引き立てるのであった。
二階の風呂場に唯を連れ込んだ栗山はスカートだけを脱ぐように命じ、両手を後手錠に拘束した。自分は全裸になると戸惑う唯の背中を押して、風呂場に連れ込むのであった。
唯を洗い場に立たせたまま、自分は風呂の中にどっぷりと浸かり、その哀れっぽい姿を眺めながら栗山は悦に入っていた。
唯は戸惑っていた。後手錠でブラウスと下着だけを身に付けた中途半端な姿を男に鑑賞される唯は妙な羞恥心を覚えて頬を赤らめていた。全裸にされるより、唯にとっては辛い事だった。
「ねえ、いつまで、このままでいなきゃならないの?私もお風呂に一緒に入れてよ」
とうとう、焦れ始めた唯が鼻を鳴らして訴えると栗山は自分のシナリオ通りに唯が反応を示し始めた事に喜んだ。
「そこでしゃがんでおしっこをしたら、一緒に風呂に入れてあげるよ」
「嫌よ。下着が汚れちゃうよ。パンツを脱がせてくれないと・・・」
何度も人前で放尿を強制された唯であったが下着をつけたままの排尿しろという栗山の命令には従えなかった。それはお漏らしを連想させ、とてつもなく恥ずかしい事に唯には思えたからだ。
「駄目だよ。それを見せてくれない限り先には進まないよ。僕はいつまででも待つからね」
栗山は洗い場に上がると唯の前にどっかりと腰を落としてその戸惑いを見せる表情を見上げて楽しんでいる。唯は栗山のペースに嵌り徐々に追い詰められていた。
男に抱かれる事を覚悟して、栗山の元にやって来た唯であったが思いもかけぬ要求を突き付けられ出鼻を挫かれた格好となった。
「さあて、もう一度、風呂に浸かるかな」
一向に放尿を開始しない唯に業を煮して栗山が立ち上がるとその背中に唯の声が飛んだ。
「待って、します。しますから見て下さい」
最後は消え入りそうな声で訴える唯に満足げな笑みを洩らした栗山は再び、腰を落した。
決意したとはいえ男の目前にそんな姿を晒すのが辛い唯は啜り上げながら腰を落とすと太腿をぴったりと閉じ合わせてしまう。
「足を開いてくれないと見えないじゃないか」
「ご、ごめんなさい」
栗山が強引に太腿を割ると唯は真赤になった頬を震わせて消え入るように詫びを入れるのだった。
「さあ、始めてご覧」
栗山の吸い付くような視線が自分の股間に向けられているのを意識すると唯は中々緊張を解くことが出来なかった。
「お願い。もっと離れて」
唯は恥ずかしさの余りついつい余計な事を口走ってしまった。栗山は却って図に乗り、唯の開いた両足の間に頭を捻じ込んだのである。
「い、意地悪」
栗山の思いも付かぬ行動に憤慨した唯ではあったが腰に手を廻され、どうにも逃れられぬ立場に追い込まれ、度胸が据わったのだろうか遂に緊張を解くことが出来た。
「す、凄いよ。洪水みたいだ」
薄い布を突破して溢れ出した奔流がバシャバシャとタイルの上に叩きつける音に栗山が驚きの声を上げると唯は真赤になった顔を揺さぶって羞恥に悶えた。
顔を起こした栗山は羞恥に悶えながら放尿を続ける唯の姿を思い行くまで鑑賞した。これがこの前まで手の届かないアイドルとしてブラウン管の向こう側のみに存在していた人間なのかと栗山は改めて思うのであった。トップアイドルの椎名唯の放尿シーンをかつて想像し手淫まで行なったことのある栗山は夢のような現実に身震いするほどの興奮さえ覚えていた。
ようやっと放尿を終えた唯は疲れ果てたのか片膝を付いて、か細い声で啜り上げている。栗山は優しく肩を抱いて立ち上がらせるとその耳元に口を寄せた。
「もう、いいんだね」
恥ずかしそうに頷いた唯の手錠を外した栗山はその掌を自分の一物に導き握らせる。
既に怒りを漲らせている栗山のそれに触れた唯はそのあまりの興奮ぶりに驚き、手を引こうとした。
「駄目だよ。軽くしごいてご覧」
栗山に身体を密着されたまま囁かれた唯は催眠術にかかったように言われた通りに握り締めたそれを軽く揺さぶり始めた。普段の栗山ならこのまま達してしまってもベッドに戻れば再び狂気を取り戻すのだが二人の妻に昼間、搾り取られた懸念からか寸前のところで唯の手を止めさせたのである。
唯の身に着けている物を全て引き剥がした栗山はその小さな身体を横抱きにしたまま一緒に入浴する。栗山に恥ずかしい姿を目撃されたことで唯の心の中にあった嫌悪感は取り払われてしまい、首に両手を廻し、甘えるような仕草さえ見せ、その胸板に頬をピッタリ押し当て、うっとりし目を閉ざしたまま湯に浸かっている。
「恥ずかしかったかい?」
栗山に耳元に囁かれた唯はこっくりと頷くと潤んだ目を開いて栗山のニヤケタ顔をじっと見つめた。あの愛くるしい表情にときめきを覚えた栗山はその口に唇を寄せ、激しい口吻を交わすのであった。
口付けを終えた唯はぐったりとなり栗山にされるがままになっていた。綺麗に剃り取られた股間の合わせ目を指で探られても拒否する素振りも見せず、その感触を楽しむかのように舌で唇を湿し、自由な掌で栗山の肌を撫で回そうとさえするのだ。
「ベッドに行くかい?」
問い掛けに夢見る表情の唯がこっくりと頷くと栗山は唯を抱いたまま、湯から上がった。
全裸のまま唯をベッドに運んだ栗山は浴室にとって返すと自分の衣服と唯の衣服を掻き集め部屋に戻るのであった。二階の風呂場の掃除は絵里と祐子の受け持ちだ、二人に浮気証拠を握られては溜まったものではないのである。
真琴の現実
その夜遅く、明日の宴席のリハーサルを何度も演じさせられた真琴が松井と由里に取り囲まれて地下室に戻ってきた。後手に縛られた縄は遂に、解かれることなく長時間に亘って手厳しい訓練された真琴は疲労し切った裸体を揺すって暗闇部屋に向かって歩を進めていた。
ようやっと、マンホールのある場所に辿り着くと松井が蓋を取り去り、真琴の縄を解こうとその肩に手を掛けた。
「おしっこがしたいの」
真琴が頬を赤らめて尿意を訴えると松井と由里は顔を見合わせてニンマリとした表情を交わすのであった。
「あんた、巨乳アイドルか何か知らないけど礼儀を知らないね。人に物を頼む時はそんな態度じゃ駄目だよ。あんたは奴隷の中奴隷なんだから」
疲れ切った真琴は難題を浴びせられ、表情を硬化させた。
「何と言えばいいのか教えて、もう、疲れてるんだから・・・」
「ふん、小生意気な顔して、まったく、腹が立つよ」
由里はその見事な裸身を憎しみの篭った視線で見つめるとやおら口を開いた。
「そこに正座して、頭を床に擦り付けて、こういうんだよ。おしっこがしたいので便器の使用を許可して下さいってね」
真琴はあまりの屈辱にブルブルと豊かな胸を震わせ、由里を見つめていた。言わなければ便器の使用は許されずこのまま暗闇部屋に閉じ込めると由里は言うのだ。真希という弱みを握られている真琴は中での排尿を悪魔たちが見逃すわけがないと思っていた。
「どうするんだい?するの?しないの?」
由里に胸を揺さぶられて詰め寄られ真琴は彼らの言いなりになるしかなかった。
跪いた真琴はコンクリート床に額を擦り付けて便器の使用を願い出るのであった。
「よく、言ったよ。これからもそうやってお願いするんだよ」
片隅からブリキ製の便器を持ち出し、真琴の前に配置した由里が笑うと松井も惨めに落ち果てたアイドルに笑い声を浴びせるのであった。これから毎日、このような儀式を繰り返して人前での排泄を繰り返さねばならないと思うと真琴は気が遠くなる思いであった。