木曽の性癖

 パーティを終えた木曽は三人の娘たちを自室に連れ込んだ。栗山も誘われ、祐子の元に戻る時間を気にしながらも付いてきてしまった。

 少女たちをベッドに座らせた木曽は栗山の方を向き直った。

 「笑わないで下さい。これが私の性癖なんですよ」

 と、言うなり木曽は身に着けているものを全て脱ぎ去ると床の上に仰向けに寝転がった。

 「さあ、君から私の顔の上にしゃがみ込んで」

 言われた留美がパンティを脱ごうとするのを木曽は制止する。

 「あ、そのままでいいよ」

 留美は少々照れながら木曽の顔の上に腰を落した。

 「構わないから。完全に乗って」

 言葉に従って留美は足を投げ出し、顔の上に座ると木曽は大きく息を吸い込んだ。彼の表情がうっとりしたものに代わると木曽の股間の一物がむくむくと頭をもたげてきた。

 「まあ、面白い」

 始めてそんなシーンを目にした弘美はクスクスと笑って由希と顔を見合わせている。

 栗山も似たような性癖の持ち主だが匂いのみでここまで勃起を示す事は無かった。

 「次の人と代わって」

 留美が退くと代わりに由希が木曽の顔の上に腰を落した。再び、大きく息を吸い込んだ木曽の表情が緩んできた。

 留美がサービス精神を発揮して極度の緊張を示している一物に手を触れると木曽はむずかるように顔を起こした。

 「あ、触らないで」

 留美は手を引っ込めて栗山と顔を見合わせる。女の掌を嫌う男は稀有だと栗山は思った。木曽は相当変った性癖の持ち主なのだ。

 「嫌〜〜」

 由希が不意に甘ったれるような声を出した。木曽がその部分に口をあてると激しく吸い始めたのだ。

 がっしりと太腿を捉まえられ逃げることを封じられた由希の花園を刺激した木曽は再び顔をずらし、芳しい香りを大きく吸い込むのである。

 「うっ」

 由希の下半身の下で一声呻いた木曽の怒りを漲らせた一物が白濁が噴出し始める。

 「吸い上げて」

 木曽に言われた留美が慌ててそれに口を付けて噴出物を吸い上げ始めると木曽は至福の表情を浮かべてうっとりと目を閉ざしている。

 欲望を全て留美に吸い取らせたことで木曽は由希を退かせると上体を起こして頭を振った。

 「恥ずかしいことですよ。こんな事で往っちゃうんですから」

 栗山と目を合わせて木曽は自嘲気味に話した。彼はこの性癖のお陰で女性関係が長続きせず悩んでいるのだと思った栗山は留美の耳に口を寄せた。

 「木曽さん。ここでしか味わえぬ快感を差し上げますよ。こっちに全て任せて下さい」

 栗山に自信たっぷりに言われた木曽は再び身を横たえた。栗山の言葉を信じて彼らのなすがままにしてみようと思ったのだ。

 弘美に股間を押し当てられた木曽は再び興奮を示してくる。

 夢中になってその部分を吸い上げ始める木曽を見た栗山は留美に目配せを送る。

 パンティを脱ぎ捨て、緊張を漲らせている一物に留美が腰を沈め始めると木曽の口から、快感を含んだ呻き声が漏れる。

 激しく腰を上下させる留美と弘美の股間を吸い上げる木曽のリズムがピッタリと一致し始める。

 やがて、留美の腰使いの前に木曽は抵抗する術も無く陥落した。

 由希にその欲望を吸い取られている木曽は感激の涙さえ浮かべていた。

 「栗山さん。有難う。久々にセックスした気持ちになりました」

 上体を起こした木曽は栗山に深々と頭を下げた。むろん刺激を受ければ木曽だって快感は昂り、射精もする。しかし、木曽は女のその部分の匂いを下着と共に嗅がないと 頭に突き抜けるような快感得られないのだ。この屋敷に来て初めてその方法に目覚めた木曽の感激はひとしおだった。

 「もう、お終いにしますか?」

 「いや、これだけ素晴らしい少女たちが揃っているんです。簡単には終わらせませんよ」

 「それでは露天風呂にでも行って一息入れましょう。君たちも一緒に入ろう」

 栗山と木曽、そして、少女たち三人は露天風呂に入ってのんびりすることにした。

 栗山は木曽をこの館の虜にすることで運営費に困らない体質にしようとしていた。彼ならば芸能界の同好の士を勧誘してくれることであろう。栗山のガラスの虚城計画はまた一歩前進したことになった。

栗山の朝

 前夜、木曽と一緒に少女たちと楽しくセックスしてしまった栗山が祐子の部屋に戻ったのは午前0時を廻っていた。祐子は起きていたがさすがに栗山はその気になれずすぐさま布団に入って寝入ってしまった。

 「いつまで寝てんのよ。食事よ。食事」

 祐子に起こされた栗山は腕時計を見た。まだ7時前なのに栗山は呆れるしかなかった。

 「もう、少し寝かせてくれよ」

 子供のように布団にしがみつく栗山を祐子は許さない。

 「あなたの朝は色々と忙しいでしょう。だから、早く、起こしたんじゃない」

 「判った。判った」

 寝ぼろけまなこで起きた栗山に歯ブラシとタオルをかいがいしく新妻のように渡した祐子は布団片付け、小さなテーブルを出すと心を込めて作った朝食を並べ始める。

 小さな洗面台で歯を磨き、顔を洗った栗山が戻ってみると旨そうな味噌汁の匂いが鼻を付いた。

 「さあ、召し上がれ」

 栗山はまるで新婚家庭のような雰囲気に包まれた食卓に向かうと旺盛な食欲を発揮した。

 「嬉しいわ。そんなにおいしそうに食べて貰えるなんて」

 栗山が留守の時は塩野の手伝いも絵里と共にする祐子は料理の腕もかなりのものがあった。

 「ねえ、絵里さんの料理と比べてどっちがおいしかった?」

 あらかた出された料理を食い尽くした栗山に祐子が尋ねる。こんなところでも愛情チェックされる栗山であった。

 「それは勿論、君の方さ。こんな旨い朝飯、久し振りだったよ」

 栗山は以前、祐子と付き合っていたとき一度だけ、朝食を作って貰った事を思い出した。その時の味から格段の進歩を遂げている祐子の腕に栗山は驚いていたのだ。

 「有難う。お世辞でも嬉しいわ」

 食器類を手早く片付けた祐子はテレビを付けて地下室のトイレ盗撮ビデオの眺めている栗山の胸に甘えるように頬を押し付けると囁くようように呟くのだった。

 「ねえ、してくれるんでしょう?」

 「あ、うん」

 画面を見つめたままの栗山の返事が曖昧なのに腹を立てた祐子は手の甲に爪を立てる。

 「してくれるって、約束しないと見せてあげないわよ」

 「ああ、判った。する。する」

 排泄する姿に堪らない興奮を覚える栗山は一も二も無く頷いた。二人の女を行き来してるとそうそうチャンスは巡ってこないのである。

 「じゃあ、布団を敷いて待っててね」

 テレビを消した栗山は言われたとおりさっき畳まれたばかりの布団を引き戻すとガラス張りのトイレの前に正座した。祐子には生半可な気持で見物されるのは嫌だと言われて正座を強要されているのである。

 エプロンを外し、ベージュ色のスカートに上はニットのセーター姿の祐子がおごそかにトイレに入りドアを閉める。和式の便器に跨り、スカートのホックを外し、パンティをずり下げた祐子が腰を落とすと思わず栗山は身を乗り出した。

 栗山は祐子の背後からその姿を見ることになり、排泄の一部始終を目撃する事ができるのだった。

 祐子の桃のような臀部がきしみ、波打つと、その内容物がゆっくりと排出され、便器の中に落下した。栗山は身体の底から震えるような悦びを感じ、更に近づき、目を凝らした。

 祐子が腰を更に落としこむともう一本出てきた。栗山の男はもう暴発寸前に凝り固まっている。とても正座なんてしている場合ではないのだ。

 「あらあら、早く、布団の上に行って、これじゃ出られないわ」

 水を流した祐子は振り向くとドアが開けられぬほど接近した栗山がそこにいたので思わずしかりつけるような口調で諭した。悪戯が見つかった子供のような顔をして栗山が布団の上に寝転がると祐子がその胸に飛び込んできた。

 「ふふ、硬くなってるね」

 栗山のそこが十分な緊張を呈しているのを確認した祐子は淫靡な笑いを浮かべて唇を押し付けてきた。完全に炎が点灯した二人は獣のようになって互いの身体を貪りあうのだった。

 祐子の部屋を出た栗山は絵里の部屋に向かおうと廊下を歩いていると朝食を済ませてきた木曽と三人の娘たちに出くわした。三人の娘は今日はパンティしか身に付けていなかった。

 「よう、おはようございます」

 木曽はいたって上機嫌で挨拶してきた。

 「これからこの子達と風呂に入ろうと思うんですよ。良かったらご一緒にどうですか?」

 「あ、後から行きます」

 とにかく絵里に会わなければいけない栗山は留美の排尿する姿なども鑑賞したかったが後ろ髪を引かれる思いで絵里の部屋をノックした。

 「待ってたよ」

 顔を出した絵里はいきなり栗山の胸に顔を埋めてきた。栗山の鼻腔をコーヒーの香りが刺激した。栗山は嫌な予感を覚えた。

 「朝ごはん作っておいたよ。祐子さんとこで食べたと思うけどこっちは洋風だから食べてね」

 テーブルの上にハムエッグとトーオーストが載っているのを目にした栗山は思わずゲップが出そうになった。

 しかし、無碍に断って絵里に泣き喚かれたり、恨み言を言われたりしては叶わない。栗山はその朝食を貪るように食べ尽くさねばならなかった。

 暫くして、栗山がサンルームのデッキチェアで寝転んでいると三人の娘を引き連れた木曽が姿を現した。

 「朝からお疲れの様子ですね。お風呂にくれば良かったのに。楽しかったですよ」

 木曽に言われても栗山は曖昧に笑うことしか出来なかった。

 三人の娘たちがフィットネス機器に取り付いてはしゃいでいるのを確認した木曽は真顔になると栗山に囁いた。

 「先程、マネージャーに電話しました。三日後が都合良いようです」

 栗山は意外な早さに驚きの表情を見せた。

 「場所は都内のスタジオです。彼から私宛に連絡が入りますので栗山さんの携帯に折り返し電話します。そうすれば唯が自分から乗り込んできます。後はお任せします」

 「木曽さんはその日は自分の別荘に戻って直後にアリバイを作っておいて下さい」

 「判りました」

 二人の悪魔は笑い、そして、固い握手を交わした。それは新たなる生贄の誘拐計画が完全に軌道に乗った事を示していた。

アイドル誘拐

 栗山はその日の内に東京に帰り、犯行の下準備に取り掛かったが木曽は栗山御殿に居続け、昼間は少女たちを取り替えながら性戯に耽り、夜は由里と恵子、そして、松井を加えた面子で真脱衣麻雀をして楽しんでいた。

 結局、犯行前夜、アリバイ作りのために自分の別荘に戻って行くまで彼はここでの生活を満喫したのだ。

 その日、椎名唯は都内のスタジオでグラビア撮影をこなしていた。昨年の6月にデビューし、あっという間に芸能界を席巻し、年末の新人賞に選ばれた彼女はCM6本を抱える人気者である。秋からテレビドラマも決まり、仕事の面では言う事無しの優等生振りを発揮している彼女だったが私生活には問題を抱えていた。

 両親はデビュー直前に娘の芸能界入りを巡って離婚、母親と一緒に都内のマンションで暮らす、唯は今年、初めより男性アイドルグループ、サムライJAPANのDAIと親密な交際を続けている。所属事務所はこの事実を知って、発覚するよりは事務所ぐるみで隠蔽する方針を取り始めた。

 密会場所のマンションの提供、送り迎えの車の用意、万全の体勢を敷いて二人の交際をひた隠そうとしていた。

 マネージャーの羽田は今日、二人が密会するのを事前に知っており、その隙を突いて唯を悪魔の手に渡そうと考えていたのだ。

 時計の針は午後3時を廻ったところだ。次の仕事は6時にKXテレビに入ることになっている。その間を利用して男と会わなければならない唯も哀れなものだがそのお膳立てをしなければならない羽田も惨めなものだった。

 何か言えば羽田に当り散らす唯は今年になってからその態度が一変した。ストレスの発散場所が無いのだ。男が出来てからそれはますます酷くなり、最近は、人前でも羽田のことを呼び捨てにする唯だった。

 「ねえ、まだ、電話来ない?」

 出番を終えた唯が楽屋に駆け込んでくるなり男からの電話の有無を尋ねた。羽田が首振ると唯は急いでメイクを落としに掛かった。

 「車、来てる?先に行って待ってるわ」

 これぞ羽田が待ち望んでいた一言だった。事務所に待機させてある車゛着くまでに十分、その間に栗山の車に乗せてしまえばこの計画は成功だった。

 羽田は楽屋を飛び出し、公衆電話を使い、木曽に連絡、続けて事務所に電話を入れた。携帯から連絡すると通話記録が残ると木曽に忠告された羽田は公衆電話を使ったのだ。

 「もうすぐ、来るよ。いつもと違う車だ」

 「あっ、そう」

 普段着に着替えた唯は返事もそこそこに楽屋を飛び出した。愛しい男に会える喜びが体中に溢れ、過密スケジュールによる疲労も吹っ飛んだかのように急ぎ足でスタジオ前の横断歩道に立った。

 黒のデニムのミニスカートに白のカーディガンと結構、目立つ格好で立っていても人々はそこにアイドルがいることに気が付かない。唯はサングラスを掛けた視線を忙しなくあたりに配り、迎えの車を待ちきれない様子だった。

 黒のワンボックスカーが目の前に止まるとドアが開き、見知らぬ男が顔を出した。

 「どうぞ、唯さん」

 どうせ見知らぬ顔の男も事務所にはいると思った唯が何の疑いも無く乗り込むと車はスタートした。

 唯が深くシートに腰を沈めると隣の男がペットボトルの蓋を開けて差し出した。唯がいつも飲む紅茶だった。

 「有難う」

 軽く礼を言った唯はそれを口に含んだ。男との逢瀬を考えると唯の身体は熱くなった。そして、恥ずかしそうに頬を染めた。また、紅茶を一口、飲んだ唯を急に眠気が襲ってきた。

 「着いたら起こしてね」

 男にペットボトルを返すと唯は可愛い寝息を立て始める。

 「よし、成功だ」

 運転していた栗山はバックミラーで唯の寝顔を確認すると小さく叫び、後に乗っている大野も笑顔を見せている。悪魔たちの誘拐劇はまたもや成功を収めたのだ。

 何も知らずに眠っている唯の載った車は男の待つマンションではなく地獄に向かって突き進んでいたのである。

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