極限の羞恥図

 遂に千春の吊り上げられた二肢が痙攣し、排泄が開始された。

 その瞬間、女たちの嬌声が響き渡り、男たちからどよめきが起こった。

 「まあ、臭いわね。鼻が曲がっちゃうわよ」

 瑶子は千春の身体から途切れることなく放出される茶褐色の物体を見つめながら汗ばんだ官能的な尻を叩き、大きな笑い声を上げている。

 由香は雄一にぴったりと寄り添い、一物を握り締めながら目を瞠っている。

 香は千春の放出とそれを見つめる桑原の表情を見つめ満足そうな笑みを浮かべていた。

 ミスゼルダとまで言われ、社内のアイドル的存在だった千春が人には見せられぬ姿で排泄物を次々と吐き出している。香は妖しい快感を感じながら、明日からの調教への思いを巡らせるのであった。

 無残な崩壊を見せている千春は眉を寄せ、目をしっかりと閉ざし、首を左右に激しく振り廻している。千春の思考回路は停止し、屈辱の姿を露呈しているという現実さえ、忘れ果てていた。ただ、体中の血が沸騰するような羞恥を感じ、息苦しさを覚えているに過ぎなかった。

 千春の放出がようやっと収まり、がっくりと首を横に伏せ、解放感に浸っていると薄笑いを浮かべた瑶子はその汗に塗れた下腹部を激しく揉み始める。

 「これだけ我慢したんだから、まだ、溜め込んでいるんじゃないの?思い切り吐き出してしまいなさいよ」

 「うっ」

 瑶子の声に現実に引き戻された千春は小さく呻くと身体中を緊張させた。再び、千春の二肢が震えた。

 「あら、まだ、出て来たわ。おかしいったらありゃしない」

 由香は雄一の一物を激しく揺さぶり、笑い転げている。

 千春は新たな羞恥を感じ、真っ赤にさせた頬を震わせ、嗚咽の声を洩らし始める。再び女たちの嘲笑と侮蔑を浴びながら千春は最後の放出を終えたが涙は止まらない。自分は取り返しの付かないような大きな罪を犯したかのような錯覚に千春は陥っているのだ。

 「いつまで泣いてるのよ。いくら泣いても手遅れなのよ」

 千春のプライドを木っ端微塵に打ち砕いた快感に酔いしれている瑶子は満足な笑みを浮かべてタオルを使ってその溢れ出る涙を拭い取り悦に入っていた。後輩のくせに自分を全ての面で凌駕していた千春の成れの果てを見るような思いに瑶子は笑いが止まらないのだ。

 「それにしても志村さんが考えたお仕置きは効果てきめんみたいね。もう、逃げようなんて気は起きないでしょうね?」

 瑶子が頬を突付いて念を押すと千春は人形のように何度も頷いてみせる。悪女たちによって施された地獄の浣腸責めは千春の心と身体に大きなダメージを与えていた。

 「さあ、後始末をして上げないといけないわね」

 香は立ち上がると用意してあったお絞りを使い、千春の崩壊の残滓を拭い始める。千春は何の反応も見せずその行為を受けている。もう、口を開くのも億劫なほど疲れ果てた千春であった。

 「さあ、これで良いわね。お疲れ様」

 香が拘束を解こうとするとある事を思いついた由香がそれを制止した。

 「ちよっと待ってよ。これから何度も浣腸して貰ったりするのにお客様にその姿は失礼だわ。もっとみだしなみを良くしてあげましょうよ」

 由香は外陰部の周囲に密生する毛を剃り上げようと提案しているのだ。悪女たちがすぐさまそれに賛同するともう、これで解放されると思っていた千春はむずかるように双臀を揺らし始める。

 「ああ、も、もう、いい加減にしてよ・・・。お願い、許して・・・」

 千春が哀願の声を洩らすと女たちは嗜虐心を刺激され、なんやかんやと毒づき、その逞しい太腿を押さえつけ有無を言わせない。千春は再び啜り上げながら、不気味な剃刀の感触を味合うこととなった。

 極限にまで開かれた女体のそんな部分の毛まで剃り取ろうとする悪魔たちの執念に千春は最早、グーの音も出ない。彼女たちのするがままに任せ、一刻も早く地下の牢に戻され、休息をしたいと願う千春であった。

 「ほら綺麗に剃れたわよ。これでいつでも浣腸が受けられるわ」

 由香が千春の尻を何度も叩いて笑い声を上げると千春の地獄の時間はようやっと終了した。鎖から解放された二肢をすぼめる気力も無いほど千春は疲労し切っていた。

 「さあ、ようやっと檻に戻れるわよしっかりなさい」

 調理台から下ろされた千春がよろめくと瑶子は笑い声を上げ、その尻を叩いて引き起こす。やっとの思いで立ち上がり、ふらつくの千春の前に香が立ちはだかる。

 「明日は夕方から私たちの手で調教を受けて貰うわよ。いいわね」

 瑶子に支えられ立っているのがやっとの千春に香は明日からの予定を言って聞かす。一刻も早く疲れ切った身体を休めたい千春は頷くことしか出来ない。それをいい事に香は次々に難題を承服させる。

 「明日の夜から私たち三人と一緒に寝泊りするのよ。いいわね。その間に素晴らしい技術を身に着けて奴隷として恥ずかしくない芸を披露できるのよ。あなたにとっても嬉しいでしょう?判ったわね」

 香に乳首を弾かれた千春は目を薄く閉じ合わせたまま頷いて見せた。それに満足した香は千春の解放を許可した。

 瑶子に背を押され、おぼつかない足取りで歩を進め始めた千春の後に由香に縄尻を取られた雄一が続いた。翻弄された姉と弟の長い一日はようやっと終わりを告げたのだ。

闇の中の暗躍

 その夜、瑶子は由香を送った後、例の男と密会していた。千春を思う存分叩きのめした興奮が冷めやらない瑶子はいつもよりも積極的に男と肌を合わせていた。

 「随分凄いんだね。久しぶりとはいえ、こっちが面食らっちまうよ」

 果てても果てても挑みかかるように応じてくる瑶子に半ば呆れた男は一呼吸入れようとタバコに火を付け咥えた。しかし、それを奪い取った瑶子は仰向けになり煙を吐き出し、笑顔を見せるのであった。

 「こんな嬉しい事はないわよ。千春に浣腸までして糞をひり出させてやったのよ。まったくいい気味よ。明日からは女としての恥掻き芸を覚えるのよ。こんな楽しいことはないわよ」

 自分が罠に嵌め、地獄に突き落とした女のことを自慢げに話す瑶子を見て男は苦笑するしかなかった。これまで遭うたびに愚痴を聞かされ続けていた男にとって瑶子の変貌振りは思う壺だったのだ。

 「ねえ、私に出来ることは何か無い?あなたにお礼がしたいの?」

 猫なで声を出して擦り寄ってくる瑶子に男は何も言わず唇を塞いで濃密な口付けを交す。そして耳元に口を寄せた。

 「折を見て、また、新薬のデータを盗み出して欲しい」

 「お安い御用よ。私は今、あの研究所に住んでるんですからね。あの課長、結構抜けてるから楽よ」

 瑶子はいとも簡単に言ってのけた。男は内心笑わずにはいられなかった。しかし、そんなことをおくびにも見せず男は再び挿入して瑶子を有頂天にさせるのであった。

 翌日、出社した瑶子は目の廻る忙しさになった。総務部から新しい秘書、二人を迎え入れ業務を教え込み、それなりに仕立て上げなければならないのだ。

 重役たちへの付き添いまでこなすと時間は三時を廻っていた。由香がまだ戻ってこないので研究所へ行けない瑶子は香を社長室に訪ねた。

 香も瑶子を待ち兼ねていたらしく、パソコンの前に導くのであった。

 「ふふふ、おしなしくしてるわね」

 そこには千春たち三人が捕われている檻が映し出されていた。インターネットのライブ中継だから画面は粗いが三人の様子ははっきりと判った。

 千春が真ん中に寝そべり、その左右に真希と雄一が半身を起こして蹲っている。

 「あら、何をしてるの?便器を取り合いしてるみたい」

 瑶子は真希と雄一が便器に両手を添えているのを見て驚いたような表情を浮かべた。

 「二人とも人前でするのが恥ずかしいらしくて、押し合いをしてるのよ」

 香は薄い笑みを浮かべて捕われの男女の生態に目を凝らして言うのであった。

 「まあ、雄一の奴、私の手で何度も往ったくせに純情なのね。笑っちゃうわ」

 二人の押し合いに決着が付いたのだろう。便器を受け取った真希は背中を向け、雄一の身に着けていたパンツを下ろした。

 雄一が真希に背を向けているのを見て瑶子が口を開いた。

 「この子、結構、純情なのね。もっと、欲情して欲しいわ」

 「そうね。今日から千春がいなくなるからその隙にやるかどうか楽しみね」

 香も瑶子を見て薄い笑みを浮かべるのであった。

 「そうそう、千春の様子はどう?」

 「さすがに殆ど横になったきりよ。弟の前にあんな恥ずかしい姿を晒したんですもの。まともに顔なんか見れないわよ」

 香の言葉に瑶子も頷いて見せた。二人の脳裏には今日、これからどのようにして千春を辱めるか、その事が大半を占めていた。

 「ご免なさい。遅れちゃって」

 由香が慌てた様子で社長室に飛び込んできた。彼女とて千春の事が片時も頭から離れない様子だ。

 「さあ、行きましょうか」

 立ち上がった香の言葉に二人は大きく頷いた。

些細な反抗

 千春は檻の中で横になったまま一日を過ごしていた。昨晩、悪魔たちから受けた身も凍るばかりの衝撃のショックが尾を引いてまともに食事さえしていない千春であった。

 心配した真希と雄一が声を掛けても生返事を返すだけの千春はこの悪夢のような日々から逃れるには自らの命を絶つしかないのかと思うようにさえなっていた。

 扉が開き、香を先頭に女たちが姿を現すと千春は胸が締め付けられるような思いを感じ、目を逸らせた。彼女たちの存在自体に恐怖を感じるようになった千春は明らかに変わってきていた。

 「お元気だった。千春さん。夕べはとんでもないまで拝見させていただいて楽しかったわ」

 檻の前に両腕を組んで立った香はうな垂れたままの千春を見下ろし頭から突き抜けるような笑い声を浴びせる。上体を起こした千春は両腕で胸を覆い、唇を噛み締め、何も語らなかった。

 「今日からは女奴隷らしく、特別な調教を受けていただくわ。さあ、出てくるのよ」

 瑶子によって檻の扉が開かれると千春はのろのろとした動作で中から這い出し、その場に膝を突いた。

 ロープを手にした吉村が背後に廻ると千春は言われるまでも無く、前で組み合わせていた両腕を背後に廻し胸を張った。

 「だいぶ、奴隷らしくなったわね。これも夕べの浣腸責めの成果ね」

 吉村におとなしく縄を掛けられている千春を目にした瑶子は香の方を見てはを笑み浮かべる。千春が奴隷としての身分を自覚し従順に従っているのが瑶子にとっては愉快なのだ。

 がっちりと千春が後手に縛り上げられると香はその前にしゃがみこみ、結び目の付いたロープを新たに取り出し、その中央を輪にして千春の胸の下を抉るロープに結びつけ、股間に向って垂直に垂らした。

 「これからは移動する際にはいつでもこれを取り付けさせてもらうわよ。あなたが逃げようと思ったりしないようにね」

 隠微な笑みを浮かべた香はそういうと千春に足を開くように命じるのであった。

 千春が無表情のまま足を開くと香はロープを背後で待つ瑶子に手渡した。

 香が結び目の部分を女陰に深く食い込ませると瑶子が思い切りロープを引き絞った。その瞬間、それまで塑像のように白かった千春の頬に赤みが刺し、固く食い締めていた唇の端から呻きが洩れた。

 「どうやら、ぴったりと収まったらしいわね」

 瑶子によって背中のロープに股縄が結び付けられると香は無毛の亀裂にロープ食い込ませ、小刻みに太腿を痙攣させている千春の泣き出しそうな顔を見て満足の笑みを浮かべ立ち上がった。

 「さあ、歩くのよ」

 瑶子に背中を押された千春はその部分から生ずる快感の疼きを知覚し、悔しげに唇を噛み立ち止まった。そして、自分を見守る香に哀願の視線を向けるのであった。

 「もう、逃げたりしません。だ、だから食い込んでいる縄だけは外してください」

 千春が哀訴の言葉を吐くと悪女たちはここぞとばかり嵩に掛かって意地悪さを発揮する。

 「あら、何を言ってるのよ。この縄は嵌めるのはあなたを鍛えるためでもあるのよ。そんな我侭を言うもんじゃないわよ」

 瑶子が笑いを浮かべ千春の肩を叩けば、香も一歩前に進み、腕を組んでその哀れな全裸像をしげしげと見つめ口を開く。

 「長峰さんの言う通りよ。それで身体を鍛えておけばこれから受ける調教もやり易くなるのよ。つべこべ言わずに歩きなさい」

 「で、でも・・・」

 千春が口篭りながら更に哀願を続けようとすると香はその強張った頬に平手打ちを食わし激しい調子でなじり始める。

 「これ以上は時間の無駄なのよ。素直になれないのならこっちにも考えがあるわよ」

 千春に頬を打たれ、諦めたように出口に進もうとと千春が向きを変えた時、檻の中から雄一の怒声が響き渡った。

 「お前たち、姉さんをこれ以上辱めるのは止めろ。それでも人間なのか」

 姉が女たちの慰み者になっているのに腹を据えかねた雄一の言葉に香はすばやく反応する。電極棒を掴むや、檻の前に立ち戻り、香は激しい調子で雄一に毒づき始める。

 「あんた。まだ、判ってないみたいね。あなたたちは奴隷なのよ。いい加減、その態度を改めないと死んでもらうわよ」

 死という言葉を聞いても雄一は怯まなかった。鉄格子に指を掛け、香に唾を吐きかけるのだ。

 「早く殺してくれ。お前たちの玩具になるのはたくさんだ」

 「黙りなさい」

 ヒステリックな声を上げた香は電極棒を捻じ込み、雄一にショックを与えた。たちまちにして気絶する雄一を見て千春はおろおろした声を出して香の暴走を止めようと必死になる。

 「ご、ご免なさい。私が我侭言ったばかりに・・・。雄一を許してやって下さい」

 雄一に詰られた事がよほど悔しかったのだろう、その股間めがけて唾を吐いた香は眉を吊り上げたまま千春の前に立った。

 「弟にもよく言って聞かせなさいよ。ここは死体を跡形も無く消す事だって簡単にできる施設が整ってるのよ。さあ、歩きなさい」

 香に肩を突かれた千春は涙を堪えながら歩を進め始める。肉芯から込み上がってくる疼きを感じながら、千春はぎこちない足取りで冷たい床を踏みしめるのであった。