千春狂乱

 「お前がレズだとは知らなかったよ」

 せかせかと傍らで服を脱いでいる香に対して桑原は苦笑いを浮かべて語りかける。香は得意げな表情をになって桑原の顔を見つめた。

 「あら、これでも高校の頃は同級生や下級生を可愛がってきたのよ。私だって女を泣かすこつは十分に心得ているわ」

 「ほう。じっくりと拝見させてもらうか」

 桑原が大きな腹を抱えて笑い声を上げると香もニンマリとした笑みを浮かべた。その時、千春がつんざくような声を上げた。

 「な、何をするの。そ、そんな事は止めて・・・」

 瑶子と由香があけすけに広げられた千春の下半身に寄り、指先で悪戯をしている最中であった。

 「何よ、そんな大きな声を出して、触られたぐらいでギャーギャー言わないでよ」

 瑶子が毒づけば由香も口を開いた。

 「そうよ。先輩がここを膨らませて汚い物を吐き出すのかと思うとなんか不思議よね」

 再び、由香の指先をそのに箇所に感じた千春は小さな悲鳴を放ち、激しく身悶え、女たちの失笑を買う。

 更に意地悪い表情になった瑶子はボールペンを取り出すとその先端を引き締まった千春の排泄器官に押し当てた。

 「あっ、も、もう、嫌よ・・・」

 悲痛な叫びを上げ、枕に載せ上げられている双臀を激しく揺さぶり、矛先をなんとか逸らせようと必死になる。しかし、由香にその動きを封じられた千春は無理矢理ボールペンの矛先を飲み込まされてしまう。

 「ふふふ、結構、良い気持ちでしょう?そんな悔しそうな顔をするもんじゃないわよ」

 瑶子はボールペンを弧を描くよう、緩やかに廻しながら、悔し涙を流し続ける千春の表情を盗み見ては満足の笑みを洩らすのであった。

 「あら、いきなり咥え込まされてちよっと痛いでしょう?」

 下着姿になった香は調理台の上に上がると身動きの取れぬ千春に添い寝をするように横たわると悔し涙を流し続ける千春の頬を撫でながら囁くのであった。

 「あっ、な、何をするの?」

 頭の下を通された香の左腕が自分の乳房を隠微に愛撫し始めると千春は慌て気味な声を上げる。しかし、香はそんな千春の狼狽を笑うかのように右手を使って千春の白い腹部を撫で回した。

 「ふふふ、私はレズの経験があって、良い女を見るとつい手を出したくなるのよ。私の手管で往って貰うわよ」

 「だ、誰が、あんたなんかに・・・」

 千春は噛みつきそうな視線で香を睨み付け、歯をキリキリと食いしばった。自分を苛めることに快感を覚えている憎い女。そんな女に肉体を弄ばれる悔しさに千春は歯噛みしているのだ。

 「あら、そんなものはいらないわよ。私のテクニックだけで往かせて上げるのよ」

 気を利かして催淫剤を注射しようと近寄ってきた吉村を制した香は闘志を燃え立たせて身体を密着させると千春に愛撫の雨を降らせるのであった。

 耳朶に口を寄せられ熱い吐息を吐きかけられた千春は嫌悪感に身震いを示し、懸命に首を捻じ曲げた。しかし、香の節足動物のように蠢く指先が開かれた股間に置かれ、緻密な愛撫を開始されると千春は身体の奥底から込み上がってくる情感を抑えることが出来なくなってしまう。

 固く食い縛った千春の歯の隙間からむせ返る様な呻きが洩れ始めると香は得意げな表情になり瑶子たちにウインクを送るのだった。

 「そろそろ。感じ始めたでしょう?男みたいにせかせかしないからいいわよね」

 千春の悔しそうに歪む千春の横顔を楽しそうに身ながら香は屈辱の震えを見せている乳首にそっと舌を這わせ、粘っこい愛撫を開始する。更に、瑶子と由香もその肌に手を掛けるに及んで千春の情感は止め処なく溢れだすようになる。

 「ふふふ、もう、ここまで落せば大丈夫よ」

 千春のその箇所に十分な潤みを確認した香は更に秘術を発揮し、その指先に力を込める。千春はその動きに合わすように腰を揺らし、切羽詰った気分に押し流されてゆく。

 「ああ、も、もう。許して・・・」

 このまま続けられれば女たちの眼前に敗残の姿を晒さねばならないと悟った千春は思わず目を見開き、哀願の声を放った。しかし、香はそんな千春を嘲笑い、更に深い刺激を与え始める。

 「私の指で往っちゃいなさいよ。とても、可愛いわよ」

 「嫌、嫌よ・・・」

 千春の声が悲しく響いた。しかし、それもいつしか哀切の声に変わり、千春は徐々に頂点に向って追い詰められていった。

 「うまいわね・・・。指だけでこれだけ感じさせるなんて・・・」

 瑶子は千春の秘所を弄る香の指先を見つめて溜息を洩らした。素早く、そして、そつなく単純な動きをそれは繰り返しているように見えた。しかし、千春の身悶えは露わになり、最早、後一歩のところまで追い詰められているようだ。

 不意に動きを止めた香は悪戯っぽい笑みを浮かべ、繊細な指先の動きを見つめていた瑶子と由香に声をかける。

 「あなたたちも手伝ってよ。こっちへ来て、楽しませて上げなさいよ」

 「あら、いいんですか?」

 瑶子と由香は再び、自らの手で千春を辱められることの期待に胸を疼かせ、香と場所を入れ替わるのだった。

 「や、止めて。あなたたちまで・・・恥を掻かせないで」

 二つの乳房を左右から掴まれた千春は瑶子に必死の眼差しを投げ掛ける。しかし、瑶子はそんな千春の哀願を鼻で笑って隠微に乳房を揉み始めるのである。

 「あら、まだ、そんな事を言ってるの?あなたも楽しまなくちゃ損よ」

 瑶子はそんなことを嘯くと由香と目を見合わせ笑うのであった。

 瑶子と由香にも取り合ってもらえず悲しみの底に千春が沈みこむ姿をニンマリとした笑みを浮かべて見ていた香は一息入れれると、千春の守りを忘れて開花した秘所に目を注ぐ。 そして、肉の合わせ目から顔を覗かせる千春のクリトリスを見つけると片頬を歪め、吸い寄せられるようにそれに唇を寄せてゆく。

 「ああ、何をするの・・・止めて・・・」

 香の口先がそれを啄ばみ、舌による愛撫を感じ取った千春は吊り上げられた双臀を揺さぶり、大きく首を打ち振った。その千春の慌てぶりが余りにも唐突だったため瑶子を口を開けて大きな笑い声を上げる。

 「何、慌ててるのよ。気持ち良くして貰ってるくせにさ」

 いくら悶えようとも身動きできぬ状態に置かれている千春は悲しみを飲み込むような表情を浮かべると悔しげに睫毛を閉ざし、歯を食いしばった。否応にも込み上げてる情感を何とか踏み留めようと必死の思いに駆られたのだ。しかし、それを見て取った瑶子たちは笑みを浮かべると屈辱の極に震える乳首を口に含み、小憎らしい愛撫を開始する。密室の中は三人の女たちに愛撫されのたうつ千春の裸体を見つめる男たちの鼻息で異様な興奮に包まれていた。

 香に肉芽を咥え込まれ舌先の愛撫を受け続ける千春は興奮は隠しようにも隠せない状態に追い詰められていた。更に指先による愛撫も再開されると千春は悦楽の啜り泣きを織り交ぜ、一途に頂点に追い立てられてゆく。

 「うっ・・・・」

 その刹那、わけのわからぬ言葉を口走った千春は身体が沈み込むような錯覚に陥りながら陶酔の時を迎えていた。女たちだけによる愛撫によって悦楽の壁を突き破ってしまった辛さ悔しさを忘れ、千春は全身を激しく痙攣させ、その反応を露にしている。

 「ふふふ、往っちゃったみたいね」

 込み上げてくる感動を堪えきれず頬を震わせ、熱い涙を滴らせる千春を目にして瑶子は満足な笑みを洩らすと香と視線を合わせ、ほくそえむのであった。

 「随分、悦んだみたいね。こっちも責め甲斐があったわ」

 未だに激しい息遣いを見せる千春の開花した頂点に目を注いで香がしたり顔で言うと瑶子と由香も興味を持ち、その箇所を覗き込む。

 「まあ、凄いわね。弟の目の前にそんな姿を晒してよく恥ずかしくない物ね」

 瑶子が意地悪い言葉を吐き、クスクスと笑い始めると興奮が冷め始めた千春は自分が晒した狂態を自覚し、嗚咽の声を洩らし始める。

 「ふふふ、こんなに滴らせていい気な物ね・・・。お掃除してあげる」

 由香がティッシュを取り出し、濡れた肌の上を拭い始めると千春は頬を赤らめ、辛さに身を揉むように身体を揺さぶった。千春の脳裏には言葉では言い切れれぬ悲しみが覆っている。香の手管で身体を溶かし、その一部始終を雄一の眼前に晒したことは千春に予想以上のショックを与えていた。

 「ふふふ、こんなに尖らせてよほど気持ち良かったのね・・・」

 由香は肉の割れ目から顔を覗かせるクリトリスを見つけると意地悪い笑みを浮かべ、それを抓み上げ揺さぶるのであった。千春は新たな衝撃に顔を曇らせ、唇を噛み締める。

 由香は千春が身悶えるのに嗜虐心を刺激されたのかそれを引きずり上げ、指で弾くなどして悪ふざけを加速させていく。

 「ああ、も、もう、許して・・・」

 由香が香を真似て指先の愛撫を開始をすると千春は情欲の残り火が疼き始めたことを知覚し、慌て気味な声を放った。しかし、悪魔の女たちはこんな事くらいで千春を解放する道理はなかった。

 「あら、何、言ってるの。こんなことじゃお仕置きにも何にもならないじゃない。あなたが悦んだだけでしょう」

 香は千春の鼻筋を突付いては冷たい笑みを浮かべる。

 「ねえ、次は何をするの?楽しみだわ」

 千春へのいだふりを中断した由香は胸をときめかせ香の顔を覗き込むのであった。千春への無残な遊びに没頭している女たちは男の視線など気にもせず目を輝かせている。

 「ふふふ、社長が大好きな浣腸責めよ。これをやれば二度と逃げようなんて気は起きなくなる筈よ」

 「まあ、愉快。先輩、嫌でもウンチを出さなきゃならないのよ」

 由香は無残にも吊り上げられている千春の双臀をヒタヒタ叩きながら笑い転げる。一方、千春は浣腸されると聞いて頬を蒼ざめさせ、わなわなと唇を震わせた。

 「や、止めて、そ、そんな馬鹿な真似は止めて・・・」

 「あら、何を言ってるの。あなたもゼルダの社員なんだから、ゼルダ製薬の浣腸液がどれほど優秀か知っておく必要があるわ」

 瑶子が屈辱に喘ぐ乳房を揺すって笑えば香も大きく頷いた。

 「それは当然ね。ゼルダの浣腸液は即効性があるって有名なんだけど今日はそれじゃつまらないからちよっと細工をしてあなたを楽しませてあげるわよ」

 香は涙に咽ぶ千春の顔を覗き込んで会心の笑みを浮かべるのであった。奴隷の分際で自分を蹴り飛ばした女への復讐にはただ浣腸するだけではつまらないと香は思っていた。うんと苦しめて極限の羞恥を与えてやらねば気が済まない香であった。

哀切の極地

 生まれたままの素っ裸を調理台の上に固定されて、両足を開かされ吊り上げられるという言語を絶する姿勢を強要されている千春に対する次の責めは浣腸責めであった。無駄とは知りつつ、涙を流しながら哀願の声を放つ千春を無視して悪魔たちは浣腸責めの準備をてきぱきと進めている。

 「ふふふ、これをお尻の穴から注ぎ込まれるのよ。我慢できるかしら・・・?」

 瑶子は溶液をたっぷりと吸い込んだ浣腸器をこれみよがしに千春の眼前に突き付け、その恐怖に凍り付く表情を楽しげに眺めのるであった。

 「や、止めて。お、お願いだから・・・・」

 涙で喉を詰まらせながら千春が訴えるのを鼻で笑った瑶子は香と顔を見合わせ、舌を出すのだった。

 吉村が近寄り、千春の肩に注射を打つと由香は不思議そうな顔をして口を開いた。

 「何を注射したの?」

 「これは軽い筋弛緩剤だ。ゼルダの浣腸液は即効性が強いから、腸の筋肉の動きを鈍らせてたっぷりと楽しませてやるのさ」

 「まあ、愉快。先輩は出してても出せなくなるのね」

 由香が手を叩いて笑い声を上げると香も大きく頷いた。

 「一回で吐き出しちゃつまらないでしょう。皆で何度も浣腸してやって大恥を掻かせてやるのよ」

 香の言葉に女たちはどっと爆笑した。しかし、千春は悲しげに睫毛を閉ざし、唇を震わせている。浣腸責めという身も凍る恐ろしい拷問を前にして千春の心は怯え、胸の鼓動は高鳴るのであった。

 瑶子は苦悩する姉の姿を正視できず、俯いたまま唇を噛み締めている雄一の傍らに立つと力を失いかけてる一物に手を触れさせた。

 「ちゃんと見なさいよ。これが本当のお姉さんの姿なのよ。うんちを捻り出すところまでしっかり見させて上げるわよ」

 瑶子はそんな言葉を囁きながら雄一をゆっくりとしごき上げるのである。再び、悪女が自分の身体を玩具にする予感を感じた雄一はぶるっと全身を震わせると激しい声を上げる。

 「もう、いい加減にしてくれ。姉さんをこんな目に遭わせてお前たち楽しいか?」

 突然の反撃に一瞬たじろいだ瑶子であったがすぐさま余裕を取り戻し、妖しい笑みを浮かべ更に力を強めてゆく。

 「こんな物をぶら下げて随分偉そうな口を利くのね。また、楽しませて上げるわよ」

 瑶子が雄一を辱めると知った由香も反対側に立つと乳首に舌を這わし、うっとりとした瞳で目を閉じたまま悪女たちに運命を委ねている横顔を見つめるのであった。

 「ねえ、こいつにも浣腸して上げましょうよ。面白いわよ」

 由香がとんでもないことを言い出したので瑶子は大きな声で笑った。しかし、香は渋い表情を浮かべる。

 「男の人たちはそんなもの見たくないわよ。あたしたち三人の時にしてあげましょうよ」

 香の言葉に納得した瑶子は握り締めた一物を激しく揺さぶり、雄一を追い詰めてゆく。何の抵抗も出来ない雄一は悔しさに歯を噛み鳴らしながらも情感を募らせてゆく。悪魔たちに運命を翻弄される姉と弟への陵辱は佳境を迎えようとしていた。