拷問

 栗田はドアを開けて電極棒を手にした吉村が笑みを浮かべているのを目にしてほっと息を付いた。

 「どうしようもないじゃじゃ馬ね。徹底的に絞り上げましょうよ」

 倒れてる千春を見て瑶子は毒づくように言うのだった。

 「井沢君。この女を厨房に運び込むぞ。手伝ってくれ」

 腰を抑えてやって来た井沢に命令した栗田は千春の腕を取るのだった。

 両手と両足を掴まれ、牛のようにされ運ばれる千春を見て瑶子はニンマリとした笑みを洩らすのであった。

 栗田は厨房に着くと調理台の上に千春を載せ、天井から垂れ下がっている鎖を解き始めた。かつては肉を吊るして切り取った器具に千春を吊るそうという考えのようだ。

 「ここにこの女を吊るして、何としてでもスパイであった事を吐かせてやるんだ」

 先程、暴れられた事に腹を立てている栗田はそう言うと呆然と成り行きを見つめている影山の方を向いた。

 「影山君。何か文句でもあるのかい?」

 「いや、そこまでやるのは何かと問題かと思いますが・・」

 「君は会社に数千万円の損害を与えた女を擁護するのか?ひよっとして君もグルなのか」

 「そ、そんな、滅相も無い」

 事なかれ主義の影山は先輩の栗田に言われると黙り込むしかなかった。千春を守ろうとする者は誰もいなくなった。

 「ねえ、常務。吊るす前に裸にしません?女に対する拷問は裸にしてからでしょう」

 薄い笑みを浮かべた瑶子にそう言われると栗田の顔も綻んだ。うんそうだなと頷くと未だに意識の回復しない千春の服を脱がせにかかった。

 上着を取られ、ブラウスを脱がされ千春の白い肌が露になると男たちが生唾を飲む音が聞こえ、瑶子は苦笑した。

 瑶子はさらにスカートを取り去り、パンストまで剥ぎ取ると栗田に意味ありげな視線を送る。

 「このまま丸裸にするのは芸が無さ過ぎるわ。本人を起こしてからにしましょう」

 瑶子の意見に頷いた栗田は井沢に手伝わせ、気を失っている千春を調理台から下ろし、鎖の真下に連れて行くとだらりと垂れ下がった両腕に手錠を嵌め、それを鎖の先端にある自在鍵に繋ぎとめるのだった。

 吉村が壁際のハンドルを廻すと鎖が巻き上げられ、千春の裸体は両腕を頭の上にし、伸び上がる形で天井から吊り下げられた。

 爪先立ちになるまで千春の裸体が巻き上げられたところで吉村はハンドルを止めた。遂に下着姿の千春は男たちの前にその見事な肉体を否応なしに晒すことになったのである。

 程よい膨らみを見せる胸、くびれた腰、パンティに隠されているがセクシーさを秘めて盛り上がる臀部、何をとっても一級品の女体がそこにあった。そんなものを見せ付けられ欲情を覚えない男はいないであろう。

 「井沢、その裏切り者の女の乳を揉んで目を覚まさせろ」

 「は、はい」

 栗田に言われ、声を上ずらせた井沢は伸びきった千春の裸体の背後に廻るとブラジャーに包まれた柔らかな双丘に手を掛けた。

 「むっ」

 乳房を弄られる不快感に目を覚ました千春は自分が下着姿にされ、腕を吊り上げられている事に気が付いて驚きの声を上げた。

 「な、何のどういうつもりなの」

 羞恥に頬を染め、狼狽する千春を嘲笑うかのような笑い声が響いた。

 「あなたがあんなに大暴れするからお仕置きよ。だいたい、女の拷問は裸に剥き上げてからするものよ。どう、ご自慢のボディを男たちの目の前に晒して嬉しいんじゃないの?」

 腕組した瑶子が得意げになって揶揄すると千春は悔しげに下を向いた。下着はつけているとはいえ、重役たちの目前に無防備な姿を晒していることに千春は羞恥に悶えている。そして、それはこんな理不尽な扱いを許している役員たちへの怒りと繋がった。

 「ど、どういうことです。こんな真似をして許される筈も無いでしょう。早く、手錠を外して下さい」

 怒りに燃える瞳を自分に向けられた栗田はその形の良い顎を掴むと千春の顔を覗き込んだ。

 「お前がスパイだと認めないからこういうことになるんだ。さあ、どうなんだ。これでも白を切るのか?」

 本性を露にした栗田の言葉に不快感を覚えた千春は腕を振り払うと悲痛な声を上げる。

 「もう、犯罪よ。警察に突き出して頂戴。警察で身の潔白を証明するわ」

 「ふふふ、生憎、警察は民事不介入でな。こんな話を持ち込んでも相手にしてくれないんだ。だから俺たちの流儀でけじめをつけさせて貰う。さあ、罪を認めるんだ。私がやりましたって言うんだ」

 「やってないって言ってるでしょう」

 更に大きな声で千春が答えるとその頬を瑶子が打ち叩いた。

 「さっきは私の事を投げ飛ばしてくれたわね。これからお返しさせて貰うからね」

 再び頬を叩かれたことにカッと来た千春は自由な足で瑶子を蹴り飛ばそうとした。しかし、爪先立ちで吊られている瑶子のキックは弱々しいものとなり、瑶子に何の打撃も与えられなかった。

 「ほほ、得意の護身術もこんなにされてちゃ役には立たないわね。お生憎様」

 悔しげに唇を噛む千春を目にして瑶子は舌を出して笑うのであった。

 「どうしても強情を張るのならこっちも手荒な真似をしないといけなくなるぞ。あれを見てみろ」

 栗田は吉村が台車に載せて運んできた機械を指差した。

 「あれは変圧器だ。最大1000ボルトの電流が流れる。そうしたら一発でしぬけどな、お前が口を割らなければ徐々に電圧を上げてやる」

 吉村が電極を接触させると青白いスパークが飛んだ。それを目にした千春の引きつった表情を栗田は薄笑いを浮かべて見つめるのであった。

 「あらそれをどこに取り付けるの?」

 「この先で脇の下の筋肉を挟んでやるのさ」

 鰐口プラグを開きながら吉村が答えると瑶子は含み笑いを浮かべて針金を二本手に取った。

 「もっと面白いところに電気を通してやりましょうよ。愉快だわ」

 瑶子の目つきが異常に輝いているのを目にして吉村は呆気に取られた思いになった。女をいじめて悦ぶ女、そんな印象を強く持った吉村であった。

 「さあ、千春。胸を出して貰うわよ。殿方もお待ち兼ねなのよ」

 瑶子の手がブラジャーのフロントホックを外すのを身を揺すって避けようとした千春だったがそんな抵抗は無に等しく、簡単にそれは外され。見事な乳房がブルンと揺れながら姿を現した。

 「ふふふ、ここに電気を通しておっぱいを大きくしてあげるわね」

 瑶子がそんなことを言いながら自分の乳首に針金を巻きつけるのを千春は引きつったような表情を見せている。この女には何を言っても無駄だという事が判っている千春は口を開かなかった。

 「さあ、これでいいわ」

 鰐口プラグを針金に繋ぐと千春はぷっと笑って千春の傍らから退いた。代わって濁った視線になった栗田が千春の髪の毛を引き掴んだ。

 「さあ、まだ、白状しないのか?電気を通すぞ」

 「していないわ。何度聞かれても同じよ」

 不貞腐れたような声を千春が上げると栗田はトランスの傍らに控えている吉村に目配せを送った。

 「あ、あああ」

 電気を通された千春の全身が痙攣し、乳房が踊っている。その様を目にした瑶子は笑い転げている。

 「どうだ。苦しいだろう。まだ、強情を張るのか?」

 電気が止められ、大きく息を付いた千春に栗田が再度迫った。しかし、千春は弱々しく首を振るだけであった。

 「よし、もっと強くしてやれ」

 吉村がボリュームを上げると千春は全身を震わせ、大きな悲鳴を放って失神した。

 「まあ、おしっこも洩らしたのね。嫌ね・・・」

 パンティを通して千春の股間から水滴が迸るのを見て瑶子は口を押さえて笑っている。男たちもこの残酷なゲームにのめりこんでゆく。千春にスパイを認めさせるそれだけのためにこの拷問は続けられているのであった。

屈服

 「起きなさい。おしっこまでして居眠りするなんていい度胸ね」

 瑶子の平手打ちによって千春は覚醒した。そして、下半身を襲う不快感によって自分が失禁した事に気が付き、狼狽するのであった。

 「ふふふ、我慢してたのね。洩れちゃったわよ」

 瑶子は千春の髪の毛を掴み、足元に出来た水溜りを目撃させ、溜飲を下げている。

 「気持ち悪いでしょう?脱がせて上げるね」

 瑶子の指先がパンティに掛かると千春は思わず腰を引いた。

 「や、止めてよ」

 千春も居並ぶ男たちに全裸を晒す勇気は無かった。しかし、井沢に手伝わさせ、腰を抑えさせると千春にそれを防ぐ手立ては無かった。

 「ふふふ、素っ裸を見られるのが恥ずかしいのね?自慢のボディなんだから堂々とご披露しちゃいなさいよ」

 千春の膝頭が震えているのを目にした瑶子はクスリと笑うと一気にパンティを引き落とされた。

 その瞬間、千春は顔を仰向かせ、耳まで赤く染め、羞恥に打ち震えるのであった。

 男たちの視線は千春の見事なまでの全裸像に釘付けとなった。それまで薄い布に隠されていた漆黒の繊毛の見事なまでの立体感に心を射抜かれたような表情を見せていた。

 「ふふふ、男たちはあなたの身体を目を皿のようにして見つめているわよ。美人で素晴らしいボディの持ち主は得よね」

 瑶子は羞恥に顔も上げられず俯く千春の肩に手を載せると含み笑いを浮かべるのであった。

 瑶子が傍らを離れると代わって栗田が千春の前に立った。

 「どうだ、ここまでされてもまだ口を割らないのか?」

 顎に手を掛けられ、顔を覗き込まれた千春は涙を溜めた目を見開き、栗田を見つめるのであった。

 「ひ、酷いわ。こ、これじゃ、拷問じゃない。私は何もしてないのに・・・」

 千春の精一杯の強がりを嘲笑った栗田は無防備な乳首を弾いては薄笑いを浮かべる。

 「今度は泣き落としか?女スパイの良く使う手だ。お前が認めるまでは終わらないからな」

 捨て台詞のような言葉を残して栗田が退くと濡れ雑巾を手にした千春が戻ってきた。

 「気持ち悪いでしょう。お掃除してあげるわ」

 瑶子は無理矢理、千春の太腿を割ると濡れ雑巾を使い股間を拭うのであった。千春はおとなしく瑶子に身を任せている。自分を疑う男たちの中で素っ裸にされ、失禁の後始末をされる悔しさ。それよりなにより、果たして自分が無実を貫き通せるだろうか?そんな不安が千春を覆い始めていた。

 「まだ、強情を張るみたいだから、細工させてもらうわよ」

 井沢に背後から太腿を抑えさせた千春は身を屈めると千春の漆黒の茂みに手を差し伸べる。

 「な、何をするつもりなの?」

 言い知れぬ恐怖を覚え始めた千春が慌て気味に声を放つが瑶子はニンマリとした笑みを見せながら、千春のもっこりとした繊毛を手で撫でつけ、血走った視線を送っている。

 「見つけたわ。これが千春のクリトリスね。ふふふ」

 「あっ、やめて」

 瑶子が繊細な突起をつまみあげたので千春は顔を真っ赤にさせ腰を揺らそうとした。しかし、井沢に背後から腰を捉まえられ、それも叶わず身を揺らすだけであった。

 「おとなしくしていなさいよ」

 会心の笑みを浮かべた瑶子は突起を引っ張ったままその根元に無残にも針金を巻きつけ始める。

 「嫌、や、やめて」

 遂にクリトリスを針金で締め上げられると千春は腰をゆさゆさと揺すり、シクシクと啜り上げるのだった。男たちはその卑猥な姿を目にすると一様にニンマリとした笑みを浮かべ、桜色に色づき悶える裸体に視線を注ぐのであった。

 「どう、気持ち良いでしょう?もっと締め上げてみる?」

 千春を虐げることに心からの喜びを覚えている瑶子は薄笑いを浮かべながら切羽詰った表情を浮かべ、涙ぐむ千春の顔を覗き込む。千春は自分を淫らな手を使い追い詰めている憎い女に哀願の言葉を吐かなければならなかった。

 「お、お願い。は、外してよ。も、もう、嫌」

 その部分から生じてくるやるせない痺れに耐えかねたように身を揉みながら千春が言葉を吐くと瑶子は落ち着き払ってその息苦しいほどに張り切った乳房を揉み上げた。

「ふふふ、外して欲しいのね?じゃあ、自分がスパイであったことを認めなさい」

 この期に及んでも自白を強要する瑶子を千春は信じられない思いで見つめた。そして、金切り声を上げるしか千春には残されていなかった。

 「ひ、卑怯よ。あなたは何の権利があって私をこんな目に遭わせるの?」

 千春に罵倒された瑶子は表情を険しくすると傍らを離れ、再び悶え始めた肉体を見物するのだった。

 「時間はいくらでもあるのよ。スパイだという事を認めるまで外してやらないわ」

 瑶子は調理台の上に腰掛けると栗田と顔を見合わせ意味有りげな笑いを浮かべるのであった。栗田にとっても千春に何としても罪を認めさせなければならなかった。企業に損失を負わせた責任を明確にさせなければ彼自身の地位も危うくなるのだった。

 千春は短い悲鳴を発しながらこの淫虐な拷問に耐えていた。無実の罪の嫌疑を掛けられ、このような責めまで受けない理不尽さに千春は怒りを通り越して恐怖さえ覚えていた。しかし、針金は容赦なく肉体に食い込み、千春を追い詰めてゆく。

 「随分と我慢が利くのね。呆れちゃうわ。今度はここに電気を通してやるわ。我慢できるかしら・・・」

 再び、鰐口プラグを瑶子によって取り付けられた千春は背筋が凍り付くほどの恐怖を感じた。そして、電気が流され、千春は腰をガクンガクンと揺すりながら血を吐くような声を上げる。

 「あっ、やめて・・・やめてよ・・・。白状するから・・・やめて・・・」

 遂にあくどい瑶子の拷問の前に屈した千春は電気が止められると号泣の声を放った。それは自分が瑶子の責めに屈した悔し涙だった。

 遂に千春の口から自供を吐き出させた瑶子は会心の笑みを浮かべ栗田と視線を合わせるのであった。