■2007/09/09(日) 菊花の約(きっくぁのちぎり)のあらすじ


・播磨の国の加古の宿

・丈部左門 (はせべさもん) 清貧の学者。母と二人暮らし。

・赤穴宗右衛門 (あかなそうえもん) 軍師。出雲の国松江生。

・赤名はある日、富田(とだ・島根県能義郡)の城主・塩治掃部介(えんやかもんのすけ)の
 密使として近江の佐々木氏綱へ行ったが、滞在するうちに主人は先の城主・尼子経久に
 殺されてしまう。
・今の持ち主である佐々木氏に守護代の仇を討つように進言するも
 逆に近江の国に軟禁されてしまう。
・それで逃げ出してきて出雲に帰る途中で病に伏してしまう。

・左門が親戚の宿に遊びに来たところ、隣の部屋で聞こえる苦しげな声を哀れみ
 主人に聞くと、一夜の宿を求められ立派な武士だったのでお泊めしたところ
 その晩から熱を発し三四日になると言う。

・流行病かも知れぬと止める主人を笑い、その病人を看病する。
 そして意気投合した二人は、左門の母の願いもあり義兄弟の契りを結ぶ。

・夏の初め、元気になった赤穴はいったん出雲の国に戻って動静を確かめその後
 戻ってきてご恩に報いたいと言う。
・左門は「それでは兄上はいつにお帰りになられますか」と問う。
・「九月九日の重陽の佳節を私の帰る日としよう」

・そして今日、九月九日が来る。この日は天晴れて千里に雲のたちいたることなし。
 朝早くから起き、掃除をし黄菊白菊を二枝三枝小瓶に差し、無き金をはたいて
 酒飯の用意をした。
・しかし日が西に沈んでも待ち人は来たらず。「明日を待ちなさい」と言う老婆を先に寝かせ
 もしやと思い戸外に出て見ると月も山の端に入り暗くなっていく。もうだめだとあきらめかけたとき
・風に漂いながらこちらに来る人影があり、不思議に思い見てみると
 まさしく赤名宗右衛門であった。

・左門は躍り上がりいろいろ話しかけるが、しばらくしてからようやく言った。
 「実は私はこの世の人間ものではないのだ、汚れた死霊が姿を現したものなのだ」
・驚いた左門は「どうして兄上はこんな不思議なこと言われるのですか」と問う。
・「出雲に戻ると、富田の城にはもとの主人を恩を記憶するものは誰もいない。
 それで私の従兄弟の赤穴丹治を尋ねると、丹治は私に尼子に使えろと言う。
 しかし尼子経久と本当にこころを一つにして働く家来がいないと感じ、
 私が早々に立ち去ろうとすると、経久は丹治に命令し私を監禁してしまった。
 そしてとうとう今日になってしまった。」
・「約束を破ったら、お前は私を何と思うだろうかと思い沈んでいたところ、
 『人一日千里をゆくことあたわず。魂よく一日に千里をもゆく』とのことわりを
 思い出し自らの刃に伏し、今宵冥土の陰風にのりてはるばる菊花の約を
 はたしに来たのだ、このこころをあわれみたまえ」
・「今はもうとわのわかれです。只母公によくつかへ給え」と言い残して、
 かき消えてしまった。

・この後、左門は丹治を一刀の下に切り捨てるのだが・・・
 それは省略します。